神のなすがまま

爪剥がしブンジロー

プロローグ


 リーンリーン──────。

 鈴虫とかいう虫の鳴き声だろう。

 不思議とうるさいとは思わない。

 慣れてしまったからだろうか、慣れとは恐ろしいものだな。

 今は、寝てるのかな?

「……し…」

 なんだ?

 寝てるんだから静かにして欲しい。

「…め………い…」

 少年だろうか?

 少女のようにも聞こえる。

どっちでもいいか。

なんかこわい声だ。

「……た………け…て」

 助けて?

 どこから聞こえてくるのか検討もつかない。

 うるさい。

「だ…れ……か」

 不思議だ。

 確かに聞こえる。

「だれかきて…ください」

 いい加減助けてあげてもいいのではないのか。

 僕以外にも聞いている人はいるはずだ。

 そんな根拠はないが。


 ……?

 聞こえなくなったな。

「…………一」

 なんだ?今度は。


「起きろ!

 もう朝だぞ!」

 突然視界が明るくなる。

 父が布団を剥いだのかな?

 自分が寝ていたとは、気づかなかったな。

 だけど、あれは本当に夢だったのかな?

 まぁ、いいか。

 二度寝しよう。

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