美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は苦手

大町凛

 プロローグ

「ただ、あなたの一番近くにいる男になりたい」

「・・・うーーーー」


更に涙が溢れてくる。


「・・・ごめん、恐い?」

「ち、ちが・・・。

恐くて・・・恐くて泣いてるんじゃない」

「本当?」

「うん」


目から溢れてくる涙をそっと何度も何度も、大切なものに触れるかのようにそっと拭ってくれている。


このままもっと触れて欲しいと思ってしまう。

恋愛が恐いのに、あなたのことが好きだと思って涙が出てしまう。


「ずるいんだよ、私。

昔にとらわれて、苦しくて、こんな自分が嫌で・・・変わりたいのに恐くて・・・なのに・・・」

「・・・なのに?」

優しい声に勇気を出す。


「・・・このまま抱きしめて・・・・キスして欲しいって・・・・思ったりしてて‥んっ」

唇に唇を塞がれた。


キスの感覚に胸がきゅんとした。


何度も角度を変えられて唇を食べられるようなキスをされる。


二人から聞こえるキスの音にきゅんとした。








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