「あの二人、カップルだと思う。」

「あの二人、カップルだと思う。」

 面白がって同僚に言う。

「え、あの人たち?え、そうなのかな。全然分からない。」

「いや、普通は分かんないと思うけど、お仲間だから。分かる。」

「へー。ちょっと、ちゃんと見てみる。」

 観察した松岡さんが言う。

「見た目似てる。あと距離感がたしかに、片方が後ろついてってる感じ。」

「あー、見た目もね。似たもの同士付き合うってのはあるある。ほら、タイプの外見に自分の見た目も寄せていけるから。」

「たしかにね。」

「付き合ってるかどうかまでは分からないときもあるし、そのへん境目がアバウトだったりもするけど、そういう仲間の人たちだってのは分かる。」

「全然分からない。」

「女の人同士のでもまあまあ分かる。」

「あー。」

「だから何って話なんだけど。あ、応対、松岡さんよろしく。なんかこんな話したあとだと、ぎくしゃくしそうだから。」

「うん。」

「すいません。」

「そういえば小島さんって今の人とどうやって知り合ったんでしたっけ?」

「アプリ。」

「へー。」

「位置情報使ってて、近くにいる人から順番に写真がバーッて表示されるの。」

「え、やば。てことはすぐに会ったりも出来るってこと?」

「そう。会いたいって両方思ってたら出来る。」

「時代だわ。」

「それに男女と違ってなかなか普段の生活でそういう機会ないから、ちゃんと出会おうとしてアプリ使ってるし、普通より出会いやすいまであるかも。」

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