016 思ってたのと違った女子高生の強烈会話

※今回も昔の話です。


いまも他部署のプロジェクト支援で常駐中。

ただ、自分の部下チーム(4つくらい)はそのままなので、月に何度かは現場を回ってリーダさんへヒアリングをしている。


その日も夕方から抜け出して、一つのチームがいる京王多摩センターへ。



改札を出た瞬間、売店の夕刊に目が止まった。


すげぇインパクトのある一面に釘づけになり、思わず購入。

(夕刊も高くなったよなぁ……)


普段なら京王プラザホテルのラウンジを使うけど、

この日はホテルの団体予約で満席。

――仕方なく向かいの喫茶店に変更。

(でも学生が多いとガヤガヤしてるんだよなぁ……)


京王多摩センターといえば「サンリオピューロランド」の街。

改札周りから学生やファミリーでにぎやかだった。


アイスコーヒーを買って窓際の2人席へ。

リーダさんに「場所変えました」とメールしつつ、買ってきた夕刊を広げる。


本日の東スポ一面は……


――ジャジャーン!


『【実話】おれは――宇宙人を食べた!!』


……なんじゃ、これw

でもこういう眉唾モンの超常現象ネタ、けっこう嫌いじゃない。



時間を見ると、待ち合わせまであと30分。

記事を追いながらクスクス笑いをこらえていたら――隣の席がやけに騒がしい。


横を見ると、派手めな髪色の女子高生2人組。

どうせドンキやコスメの話だろうと油断していたら……まったく違った。


活発そうなショート茶髪っ子が、声を張り上げる。


「アンタ知ってる?」

「ん、なに?」金髪ちょいおすましが返す。


「あのさぁ――って知ってる?」


「……は?」


え、待て待て待て。

マジ顔で、いったい、この2人は何の話を始めたんだ!?



「鼻の穴のにおいだよ!」

「……?」


いやいやいや。

東スポを読むフリしてるけど、まったく内容が頭に入らん。

(吹き出す5秒前w)


「だから、鼻の穴のにおい!!」

「鼻の穴のにおいって?」


……頼む、それ連呼すんなぁぁぁ!!

おじさん、心の中で土下座です。



「そんなのあるわけないじゃん!」

「あるって!――鼻の穴のにおい!」


「ばぁーか、鼻の穴に匂いあったらいつも臭いじゃん」

「あるって!!」


もう、さっき見ていた『宇宙人を食った話』が吹っ飛んぢまいましたよ。

ちょっと涙も出てきたし……w


「じゃあ、どんなにおいよ?」


「鼻の穴のにおいは――血の匂いなんだよ!」


「へっ!?」


「だから、!!」


……金髪っ子、口半開きで目をパチクリ。


「それって、もしかして、……“鼻血”じゃね?」


「あーーーー!」


あー!じゃないって。まじ、勘弁しちくれぇ~(涙)。

これ、なんかの罰ゲームか、……腹痛いよ~(笑)。



――30分後。

気づけば女子高生たちは消えていて、向かいにリーダさんが座っていた。


「レイジさん、お疲れ様です!」

「ああ」


リーダさん、手帳を取り出しつつ言う。

「報告を始めてよろしい……」


「いや待て。おまえ、“鼻の穴の匂い”って知ってるか?」


「……あー知ってますよw また東スポのネタか何かでしょ?」


……うわぁ、こいつ、付き合い長すぎだろ。



【今日の教訓】

宇宙人は食べられても平気。

だが――鼻の穴の匂いは、おじさんの理性を確実に破壊する。


【了】

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