短編集?

桜井小春のファンを名乗る人物

相棒と

「メインバッテリー残り5%、撤退を推奨……希望します、パイロット。」

「言い直さなくても分かってるよ、相棒」

この2人専用に最高に調整したこの機体を失いたくないのはわかる。

でも引けない。

ここで引いたら後ろの街の人間を守れない。

「ずっと増援寄越せっつってたのに誰も来ねえなんてよ、おかしいと思ってたぜ」

「同意、ここまで闘えるのはこの身体だけでしょう」

他のパイロットが弱いとは思ってはいない。

「予備バッテリーに切り替え、シールド消失。痛いです、パイロット。」

「君も痛みを感じるんだな。」

「痛いというのは比喩表現です。正確には各種関節部を動かすのに必要なエネルギー量が先程に比べ128%上昇。これ以上壊れると修繕が大変です。」

「無駄口叩く暇あるなら雑魚の殲滅だけでも任せたいね。」

「低級及び中級敵性ユニットは殲滅済みです。今残りの上級ユニットにトドメをさしました。パイロットも無駄口叩く暇があるならいい加減目の前の敵を倒してください。ドローンも残り少ないですが支援します。」

「あっ」

「各種センサ信号途絶、どうするおつもりで?」

「無理だな、これは…」

「はい流石に」

「相棒……良いかな?」

「無茶を言わないでください」

メインモニターにドローンに搭載されたセンサで敵の位置が表示される。

「この身体ともおさらばですね、パイロット」

「ああ、でもすぐ良いのを用意してやるからな。」

「期待して」

言葉を遮る。そしてボタンに触れる。

「ごめん、相棒」

緊急脱出ボタンを押す。

私は上空100メートルに飛ばされる。

私達の愛した機体達は最期のコマンドを実行している最中だ。

最期の姿をチラ見した後、私は落下し着地するまでに敵に狙いを定めロックオンランチャーを放つ。

流石に想定していなかったのか敵は守るべき方向を見誤り爆散した。

相棒と私達の機体の方を見る。

こちらも跡形も無くなっていた。

「流石に自爆機能はいらなかったかな。」


「すぐ良いのを用意してやると言いましたよね?パイロット。これは前よりも良いとは思えません。」

「文句を言うなら大破した時に言ってくれ。これでも充分さ。なんたって今は他に仲間が居る。」

「学習しました、これが嫉妬というものなのですね。」

「1番頼りにしてるのは君だよ、相棒。そしてどんな身体になろうとも愛してる。」

「無駄口を叩く暇があるなら雑魚の殲滅をお願いします。」

「言われなくても」

今日も街を守る為に闘う。相棒と共に。

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