22、爆弾解除

 ピッ、ピッ、と嫌な音が廃れた一室に響き渡る。

 音の出所でどころは目の前の時限爆弾。

 赤か青、どちらかの銅線を解除しなければ、辺り一帯が吹き飛んでしまうのだ。

 そんなことはさせたくないが、半分の確率で死ぬと思うと手元が震えて仕方ない。

 緊張の所為か、タイマーの音まで二重に聞こえてきた。

 と、その時。

「先輩、大丈夫ですよ」

 私の肩がポンと誰かに触れられた。

 振り向くと、そこには後輩がいた。

「この道二十年の直感、僕は信じてますから」

「お前……」

 そうだ、今までもこうして乗り越えてきた。

 最後に信じられるのは己のみ。

 私は意を決し、赤の銅線を切断した!

 すると次の瞬間、タイマーが停止した。

 解除に成功したのだ!

「よっしゃぁ!」

 喜びのあまり、私はガッツポーズを決める。

 と、その時。後輩が「そういえば」と胸ポケットを探り始めた。

「どうした?」

「これ、さっき拾ったんですが」

 そう言って取り出したのは、ピッ、ピッと残り5秒を示す物体だった。

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