第2話 RTA走者はゲーム世界から帰れない/小出よしと  1~5巻

 第一発目はこれ。


 タイトル通りRTA走者が帰れないでどうしよう、な話なんですが。

 ワタシそもそも、RTAとは何ぞや?勢なんですね。

 ただ「異世界系(ゲームやダンジョン含む)は取り敢えず一話読んでみよう」というモットーがございます。

 でまあ、今回はそれにやられた例。


 まーこれはカドコミの戦略にも、もろやられました。

 割と新作を第一話から出して、ある程度まで読ませるんですよねえ。

 そこで面白かったり、次が読みたくなったら負けですよ……

 そして負けたのですよ。面白いですが!


 大本がコミックウォーカー(カドコミの前身)の連載っていうから、本当に配信専門の作品のようですね。

 原作は特になし。小出よしと氏オンリーの作品どす。

 で。

 ワタクシはそもそもゲーム関係事情に極端に弱いどす。

 というより、ほんまここ十年くらい、なろう系とかそーいう作品が主流になるまで「避けてた」世界ですよ(笑)。

 何がといえば、要は、西洋風RPG世界にどーしても馴染めなかったんですね。ドラゴンだのダンジョンだの勇者だの聖女だの魔法だの。

 だってそもそも魔法よりは超能力、な、こじつけであろうと「科学っぽい」理屈に惹かれてしまう側なんすから。


 まーだから、そんなワシでも「こいつぁおもろい」と思ってしまうこういう系統の話ってのは貴重だし、めっちゃよく出来てる話だと思うのですよ。


 今回のは、カドコミのアプリ入れた時に、「初回無料」だったのが全ての始まりだった気が……

 カドコミは基本、最初と最新が見られる仕様なんですが、ワタシにとってこれはかなりありがたい。最初がわかればだいたいの方針はわかるし、最新は、サムネから想像しつつ、どうなっていったか、をおおよそ把握できる。

 ……そんで「初回無料」ですよ。

 これで満足してしまえる話もあるんですよ。「宝石屋のメイド」とか。←ごめん/好きは好きで毎度読んでるんだ

 ところが、奇妙な勢いと笑いが存在する話ってのは、そうもいかない。「つ、次ーっ!」となるんですよ。


 で、この話となると、冒頭がアレじゃないですか(笑)。

 冒頭がアレってのはでかいですよ。

 主人公シャチクの恰好も武器も、ダーニャたんのびっくりも。

 んで、その後のカクカクにしても、訳わかんないと言えばわかんないんですが、兎にも角にも、次々に説明していってくれるじゃないですか(笑)。説明好きの主人公が(笑)。

 解説しながらやっていくという「こと自体」がギャグであると同時に、全く知らない層にはめっちゃ親切なんですよ!

 そこんとこはRTAを「好きで」「見てる」作者さまのおかげですわな。

 これが「好きで」「やってる」人だと、こうはいかないと思う。

 もう吹き出しの-ペラ-ペラが微妙に他のセリフと違って、あくまで最短攻略のためのテクニックの説明ってのがいいねー。


 そんでもう、冒頭で「リアルエンド」やらかしたせいなのか何なのかわかんないけど(あれはダーニャたんが壁抜けしてしまったせいじゃね?と示唆はされてるけどさ)色々バグが起こって帰れなくなってしまったから、帰るにはどーすりゃええんだ? ってことで話は進む進む。

 そんでシャチクはひたすらマイペースで、猫耳可愛いダーニャたんと、女騎士のキーラさん、それに身代わりな弟、+何とやら、のだいたい今のとこ五名で協力して進むことにはなるんだけど。

 このキーラさんが露骨に巨乳ビキニアーマーなのに色気はおいとけるとこがいいですな!←賞めてる

 何つーか、ともかく呆然要員としての価値の方が皆高いので、容姿は二の次三の次(いやでもダーニャたんは可愛いが)というのがええの。

 シャチクにしても、この何ともいえない可も無し不可も無しな姿がな(笑)。


 ということで、読み出すとRTAって何ぞや、まで何とな~くわかった気になれる話どす。

 普通にギャグとしておすすめ。


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