第6話

悠はグリモワール魔導学園の講師ローブを纏いながら学園の廊下を歩いていた。悠に担当教科は戦闘実習と魔導実技であり今日は戦闘実習だったため実習室に向かっていた。実習室に着くと既に生徒達が集まっており更に今日の実習で行う近接戦闘の訓練の相手としてルカも来ていた。

「雨宮先生、遅いですよ。早く自己紹介をして授業開始して下さい」

「はいはいっと。今日から戦闘実習と魔導実技の授業を担当する雨宮一馬です。よろしくお願いします」

悠はそれだけ言うと実習室にあった竹刀を手に取りローブの中から霊符を取り出して呪文を唱えた。すると竹刀が青龍の意匠が取り入れられた片手剣に変化した。それを見てルカも持ってきていた紅い刀を鞘から抜いた。

「じゃあ先ず、授業を始める前に俺と御手洗先生で模擬戦を行うからしっかりと見てて下さいね」

そう言って悠は片手剣龍牙をルカに向ける。ルカもカラクレナイを悠に向けた。

そして10秒程の間が経ってから一気に互いは距離を詰めて剣をぶつける。ルカが上段から下段への袈裟斬りを仕掛けようとしたのに対して悠は速攻で中段からの回転斬りで受け止める。そして悠は更に上段から下段へ弧を描く様な剣戟孤月でルカに向けて斬り掛かるが、ルカはカラクレナイを横薙ぎの剣戟で振り払う。そして今度はカラクレナイを一度鞘に戻して抜刀の構えをとる。悠はそれを見て龍牙の刃先を下に向ける。そしてルカがカラクレナイを抜刀してきたタイミングで龍牙をカラクレナイに対して水平の位置になる様に振りそこから連続して剣を当てていなしていく。そして全てを受け流した後に龍牙でカラクレナイを握っているルカの手に向けて突きを放つ。ルカはそれを迎撃しようと同じく突きを放つ。互いの剣がぶつかり合い宙を舞って落ちる。そこで悠とルカは互いに目を合わせて剣を拾い礼をした。すると生徒達から歓声が上がった。

「一馬センセーすげぇじゃん」

「あのルカ先生相手に引き分けるとか今の学園長以外いないんじゃ」

「はいはい静かにしてね皆んな。一馬先生への質問等は後から時間とるからね」

ルカはそう言って生徒達を静かにさせる。

俺はルカがそう言っている間に霊装を解き竹刀に戻す。

「よし、じゃあ授業始めるぞ。先ず今見せたのは剣士同士の戦い方だ。純粋な剣術の勝負なら実力の差が出る。だが実際の戦闘ではそんな単純には勝負は決まらない。魔術や式神、使い魔に味方の有無で変わってくるからな。まぁ環境や場所でも変わるからな」

その後俺は授業を一通り終えると学園長室に向かった

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