短編集

墾田永年社会不適合法

二人は話す

「あのさ、今って何の為に生きてる?」


「何の為?う~ん。生きる意味的な?」


「うん」


「まぁ~死ぬのが嫌だから?」


「ふ~ん。しょぼ」


「ん?お前、しばくぞ」


「まぁまぁ」


「んで、お前はなんの為に生きてんの?」


「ん~~さぁ?」


「はは、お前って馬鹿だろ」


「おい、何がだよ」


「全部だろ」


「まぁ、私が馬鹿なのは置いといて、生きる意味が知りたいんだよね」


「はぁ。生きる意味ね」


「うん」


「う~ん。たぶん、正解は無いよな」


「うん。多分それが正解なんだけど、私なりの答えが欲しいっていうか?」


「あ~、なるほどね」


「俺は...まぁ、来年から就職だし?仕事頑張って、奥さん見つけて、幸せな家庭を過ごしていきたいかな?」


「は~~普通だね。」


「なんだよ。普通でいいだろ」


「まぁ、普通でいいとは思うんだけどさ...。」


「だけど?」


「それって、本当に自分の考えた答えなのかなって」


「ほう」


「みんなが幸せだと思う事が、自分の生きる意味だって言い聞かせてんじゃないかなって思うんだよね」


「........ふむ」


「だから、自分の思う、自分だけの生きる意味、本当の幸せが見つけたいんだよねぇ」


「お前さ、馬鹿なのに難しいこと考えるよな」


「おい、馬鹿じゃないから考えてるんだよ」


「ははは、そうか」


「私さ、昔は生きる意味なんて、考えずに生きてたの。いや、考える必要がなかったの。」


「ふん」


「でもさ、最近は生きる意味が無いとさ、命の価値観って言うか...もう、人生生きるの、面倒だなって思っちゃうんだよね」


「はあ~。病んでんの?」


「ん~いや、病んではないかな」


「ならいいや。自殺とかやめろよ?悲しいしな。」


「おぉ、うん。しない。自殺は」


「おし。それでいい」


「んで、まぁ俺は、幼馴染のお前と休みの日に、カフェで雑談するの楽しいし、生きてていいなって思うぞ」


「ふ~~ん。そんなこと言えるんだね」


「言えるわ。」


「ふふふ、そのセリフが聞けて、私も生きてていいって思えた」


「そりゃよかったよ」


「カフェオレ、おかわりするか?」


「うん」


「すいませ~ん」


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