こんな魔王軍は嫌だ~世界滅亡兵器の秘密
UMA未確認党
(前編)
私はエミリア、魔王城のメイドである。これでも吸血鬼の血が先祖に入っていて、そのせいで人間に忌み嫌われ、雨の中母親に捨てられた存在だ。私は雨の中帰る家もなくさまよっていたところ少年の魔王様に拾われた。そして、そのまま魔王城のメイドとして働くことになった。
「魔王様、魔王様!」
私は魔王部屋の中で魔王様を呼ぶ。
「ったく、うるさいなぁ。ゆっくりゲームもできやしない」
「そう言ってもう4週間も籠られているじゃないですか」
「なんだい、たかが4週間ぐらいよ。魔族の寿命からしたらたったの3日間くらいだろ?」
「人間の寿命でもそれはおかしいですから!何ですか魔王がヒキニートって!」
「いいじゃん、どうせ勇者はしばらく来ないんだし。って、ちょ勝手にドアを開けないでくれ!」
私はついに堪忍袋の緒が切れたのでドアを開けて魔王の首根っこを掴んで引きずり出す。
「ちょ~!それはないよ~!俺魔王だよ!もう少しくらい尊敬の念を持ってくれてもさ」
「とりあえずあまり籠らないでください。それにそろそろハロウィンなんですから、あの恒例行事の日ですよ」
「あ~あれか~。やなんだよね。てか、一回くらいお休みでもよくない?皆用意するの大変でしょ?」
「そう言って魔王軍の忘年会を10年間も開いてないの誰でしたっけ?ゴブリンが文句言ってましたよ?」
「いいんだよ。どうせアイツ等は酒さえ飲めればいいんだから。ったく、分かったよ着替えるからちょっと待っててくれ」
そんな調子なのでとりあえず階下に降りておく。すると、ハーピーのモナが声をかけてくる。
「大変だね~エミリアちゃん。それで今日の予定は?」
「それだけは絶対にさせるわ。今度こそあの忘年会の二の舞にはさせないから」
「お~それは期待してもいいのかな?」
10分後
「魔王様来ないね~。逃げたんでしょうか?」
「いや、大体こういう時は……」
すると、奥から
「ぎゃああああああああああああああ!」
という叫び声が聞こえた。
「「魔王様?!」」
私とモナが叫び声のところを訪れると、魔王がトラップに引っ掛かっていた。
「魔王様!何で掛かってるんですか~!」
「ん?ああモナか……おかしいなここに罠はなかった……おい、誰かラクサス呼んで来い!アイツ勝手に城の罠の配置替えやがった!」
仕方がないので私は悪魔技工士のラクサスを呼んでくる。
「しかしですね、魔王の旦那。このレベルの施設になるとちゃんと配置替えなきゃなんないんでさぁ。そもそも何が原因かって旦那が4週間も自室にこもってたからですし」
「そ、それでもせめて共有くらいはしてほしいな~。あと勇者はいつ来るんだよ」
魔王様はそんな不満を述べている。
「てか~。そもそもこんな単純な罠にかからないでくださいよ~。魔王の箔ってものがあるんですから~」
モナは苦笑いしながら言った。
「ったく、それはそうと。ラクサス!お前そんなことしてる暇があるなら、例の世界滅亡の兵器を作ってくれよ」
そう言えば魔王様は今世界を滅ぼす兵器を作っている最中らしい。
「へぇ、現在材料を取り寄せてるぜぇ」
「そうか。ならとっとと完成させてくれよ。時間がないんだ」
「了解した」
一週間後
私は屋敷の中を巡回していた。
すると、ラクサスさんはスパナと工具箱を自分の研究室に運んでいるところだっ
た。
「あ!ラクサス調子はどうなの?」
「ああ、エミリア嬢、今組み立ててる最中だ。そのうち出来るにゃ~」
「相変わらず変な語尾ね」
「うっせぇ。今作ってる最中だぜぇ」
一週間後
私が魔王様の部屋に入ると魔王様は部屋の中でシャトルランをしていた。
「何してるんですか。魔王様……」
「見て分からないか?シャトルランだ。」
「何でですか。この世においてシャトルランは忌み嫌われている存在ですよ」
「うるさいな、これやると体力つくんだよ」
「どんな理屈……」
「知らんのか?シャトルランは誰にでもできる筋トレ法だぞ?」
「そんなわけないでしょ!」
すると、そこに魔界宅急便がやって来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます