神を信じなかったら神になった

かふぇらて

俺、神になった?

この世に神や仏なんてものは存在しない。もし居たとしたら、親孝行も出来ないままパワハラ上司に残業させられまくって過労死するなんて惨めな死に方、ないはずだ。


俺はユウスケ。フツーの会社員。パワハラ上司に残業させられまくっている男。


* * *


白一色の世界で目が覚めた。周りをきょろきょろと見渡していると、上からなんか美女が降りてきた。


『ようこそ、天界へ』


天界?というか、こいつ、口動かしてないよな。


『私は今、あなたの脳内に直接語り掛けています。静かに聞くように。』


ただものではない雰囲気なもんで、黙って聞かないとやばい、と本能的に感じた。


そっか、俺、死んだのか。親にもっといろいろしてやりたかったな。父ちゃん、母ちゃん、こんな息子で、ごめんな。


『突然ですが、あなたには2つの選択肢があります。1つは、天界に残って天使として暮らす。もう1つは、あなたが生前暮らしていた世界とはまた別の世界に転生する。どちらにしますか?』


突然の質問に焦ったが、こんなもの、即答だ。転生する。そして、次こそは幸せな人生を満喫するんだ。


『わかりました。それでは、頑張ってください』


天使?が手を叩くと、真っ白い光に包まれた。


目を覚ますと、そこは普通の家、ではなく、天界のままだった。


だが、1つだけ、違うことがあった。


俺に、羽が生えている。


何が起こったか理解できずにいると、またまた天使が登場して、


『すみません、私の手違いで、あなたを神にしてしまいました』


は?神?神なんて信じないぞ。嘘言うな。アンタの間違いで俺は、”転生できなかった”んだろ?


『いえ、あなたは本当に、本物の神になりました。まぁ、正確に言うと私と同じ天使ですが』


いや、さすがにこんな急に神にはならないし、まず、神は存在しない、ハズだ。


『いいえ。あなたは本物の神になったのです。これから、同じ神、天使として、頑張りましょう』


とりあえず、拒否権はないらしい。というか、マジで神なんていたんだ。


『てか、アンタも神なのに、なんで俺をあんな死に方させたんだ?』


初めて声が出た。


『人はいつか命を落とすもの。それがどんな死に方で、いつ死ぬかなんて、私たちには決めることはできません。運命として決まっているのです』


つまり、俺は何をしても28歳で死ぬってことか?そんなの残酷すぎだろ。


まぁ、これが次の人生なら、もっといい人生を引くために、気長に来世を待つとするかぁ……。


てことで、ユウスケ、これから神?として頑張ります………。

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神を信じなかったら神になった かふぇらて @mk-sue_1109

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