ふろんとばっく・わんだーす

八咫空 朱穏

午後五時 河川敷

P.1『動くことのない日常』

 放課後、ふたりで河川敷。

 若草と光る水面に包まれる、静かな時間。


 別に何も起こる訳じゃない。ただ寄り道をして、他愛ないことを話して、暗くなる前にそれぞれの家に帰る。


 ずっと前から繰り返してる、日常の一部。特別なことは何もない。

 これからも変わらないって、ずっと思ってた。


 少なくとも、僕は。

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