第3話 静かなる教室
チャイムが鳴った。授業が始まる合図だ。
耀汰は、ポケットに手を入れて階段をのんびり歩いている。さっきの出来事を振り返っていた。どうして、学級委員長の
「何してんだよ、ここで」
「いったー……。先生こそ、それを頭に乗せるのはパラハラじゃないっすか?」
そんなに痛くない頭をおさえて、頬を大きく膨らます。耀汰は授業に間に合ってないことを分かったうえで、担任の中沢 勝也に悪態をつく。
「おいおい。そんなで痛いのか? 乗せただけだろ。そんなんじゃ、バスケもサッカーもできないぞ」
「……先生、俺、卓球ですよ」
「嘘だろ。バリバリの運動部だろ、堀内は。授業始まるぞ、中に入れ」
「……そう見えるっすねー。はいはい」
担任の中沢 勝也先生とともに前の扉から中へ入る堀内 耀汰は、教室内を見て目を大きく見開いた。さっきまで図書室にいた
「なぁ、なんでそんなにご機嫌なんだよ。今から本読みで静かにしなきゃないんだぜ」
通り過ぎる耀汰の腕を軽くタッチして、瑛斗が声をかけて来た。あまりにもニコニコの耀汰に気持ち悪さを感じていた。
「へへん。なんでもないよーだ」
「それが、逆に気持ち悪いだろ……」
本音を隠してると察した瑛斗は、じーっと耀汰を睨みつける。耀汰はそれを全然気にしていない。前の席から配られてきた珠瑠が運んできたであろう本を愛しそうに見つめる。本を読むのが嫌いだった耀汰は、本好きになる瞬間だった。眼鏡をかけていないのにまるでがり勉くんのようにそっと丁寧に本を開いている。その様子を瑛斗は寒気がするくらいに驚愕した。
「ねぇ、耀汰に何かあったのかな?」
斜め後ろにいた
本好きな
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