9-2
美月、くんへのいろいろな疑問がある中、ヘタレクソ野郎の私はその疑問に解明するべく質問することもできないのでそのまま黙々と絵を描いていた
できるだけ美月、くんの方は見ないように鉛筆を走らせる
チラッと見てしまったら最後、綺麗な佇まいで魅入ってしまうほど
見惚れている場合ではない
何を描いているのかは角度が悪く見えない
むしろそれも好都合かもしれない
どれほど時間が経っただろう
隣に人がいるにも関わらず、更に相手は巷で騒がれている美月、くん
だが、案外没頭して絵を描いもんだから不思議である
顔を上げると空き教室の窓の外は夕日が落ちたあとように少し暗くなっていた
ぼーと外を見ていた私の視線に気づいたのか
「もう帰る?」
と美月、くんは聞いてきた
その言い方には抑揚があまりないトーンである
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