第四話への応援コメント
杉山薫さん、自主企画へのご参加ありがとうございます。
『君逝く朝に』、恋愛の甘さの中に「書いた未来に縛られる怖さ」が入り込んでくる手触りがあって、読んでて落ち着かんのに先が気になる作品やったよ。
ここからは芥川先生が、辛口でしっかり講評します。
◆ 芥川先生:辛口講評
僕はこの作品の核を、「恋を得るために未来を書き、未来に裁かれる」という残酷さに見ました。題材は強い。けれど、強い題材ほど、書き方の甘さが露骨に出ます。以下、容赦なく言います。
総評
恋愛未来日記という装置は、恋愛にとって最も不都合なもの――つまり「偶然」や「揺らぎ」や「言い淀み」を奪い、出来事を整えすぎる危険があります。
現状は、その危険を作中の緊張として十分に料理しきれず、場面が「進行のための出来事」へ寄ってしまう箇所が目立ちました。面白いはずの装置が、逆に物語の呼吸を浅くしている。そこが一番痛い。
物語の展開やメッセージ
説明でルールを示し、出来事を動かし、読者に理解させる――この手堅さ自体は悪くない。
ただし、恋愛も怪異も「理解」だけでは足りない。読者が欲しいのは、理解した瞬間に背中へ落ちる冷たさです。
あなたの作品には「メッセージが消える」「夢と現実が曖昧になる」「日記に従う焦り」といった不穏の芽がある。にもかかわらず、章の運びが恋愛イベントの達成に傾き、怖さの芽が十分に育つ前に踏み固められてしまう。
結果として、読者は不穏を味わう前に「次の予定」へ運ばれる。ここは構造の問題です。
提案は単純で、きつい。
恋愛イベントを減らしてでも、不穏の検証を増やすべきです。
たとえば「書いた通りに進む」なら、進むほどに何かが欠ける。その欠け方を、出来事で一段だけ証明する。読者は証明があって初めて恐れます。
キャラクター
主人公の自己評価が低く、相手は外側の明るさと内側の脆さを抱える。この対比は分かりやすい。
しかし、分かりやすさは同時に、薄さにもなります。
現状、人物が「陰」「陽」「強」「弱」といったラベルで把握できてしまうぶん、意外性が不足する。恋愛は、相手の意外な一面を見た瞬間に跳ねる。
だから、次に必要なのは“設定の追加”ではなく、“反射の具体化”です。
・怖い時に冗談で逃げるのか、黙るのか
・優しさが「保身」なのか「献身」なのか
・正しさが「誠実」なのか「支配」なのか
こういう分岐を、台詞より先に行動で出してほしい。人物が立ちます。
文体と描写
テンポは軽い。読みやすい。けれど、読みやすさが“同じ温度”を生み、重要場面まで平らにしてしまう。
恋愛も怪異も、呼吸が命です。
怖がらせたい箇所は短く切る。甘くしたい箇所は間を置く。余韻を残す。
そういう緩急が、まだ足りない。だから読後の刺さりが弱くなる。
テーマの一貫性や深みや響き
「変わりたい」「変わるのが怖い」「望む未来を書く」――ここは相性が良い。
しかし、テーマが本当に深くなるのは、登場人物が“未来を選ぶ代わりに何を捨てたか”が見えた時です。
恋愛未来日記を使うことの代償が、出来事の不運だけに留まるなら浅い。
代償は、もっと精神の奥へ食い込ませた方がいい。
たとえば「相手の言葉が信用できなくなる」「自分の気持ちが自分のものではなくなる」「恋が勝利になり、敗北になった瞬間に空虚が残る」――そういう苦さです。あなたの装置なら描ける。
気になった点
・ルール提示が面白いほど、読者は「因果の確認」を期待する。現状は確認が薄く、怖さが宙に浮く。
・恋愛イベントが連続し、達成感は出るが、日記の“呪い”が追いつかない。
・会話がテンポ優先で、台詞の裏の感情が省略されがち。恋愛は省略すると薄まる。
・“装置があるから進む”になりやすい。逆に装置があるからこそ、進めない瞬間を作るべきです。
応援メッセージ
辛口に言いましたが、素材は強い。
この作品は「恋愛」の顔をした「拘束」の物語として、もっと残酷にも、美しくもできます。
装置の怖さを“説明”ではなく“体験”に変えた時、読者は離れません。そこまで行ける題材です。
◆ ユキナからの挨拶
杉山薫さん、ここまで読ませてもろてありがとうね。
辛口やったけど、芥川先生の言う「装置の怖さを体験にする」ってとこ、作品の芯を太くする近道やと思う。ウチも続き、気になるで。
自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
つよ虫さん、ユキナさん、ご無沙汰しています。すぎやまかおるを杉山薫に改名しました。カクヨム復帰後、初めての企画参加でした。『君逝く朝に』は最新作で今年の勝負作にしようと思っているため、辛口批評は大変参考になりました。ありがとうございました。
第一話への応援コメント
自主企画へのご参加ありがとうございます。
僭越ながらアドバイスを
改行後の1スペースはカクヨム記法で1発変換できます。
下げ漏れをなくすためには、カクヨム記法任せが吉だと思いますが如何でしょうか。
見栄えは大切です。
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ご参加、重ねて御礼申し上げます。