「天女」として活動するおっさんと僕。その「おつとめ」の先に待つものは

 わずか2000字程度で、壮大な世界とストーリーを堪能することができました。

 主人公は13歳の少年。両親に捨てられ、「天女」が住むという時計台を訪ねることになる。

 しかし、そこで現れたのは一人のおっさん。「天女」という名字の中年のおっさんだった。

 だが、彼には役割があった。「天女」として変声器を使って美少女ボイスになり、歌声を人々に聞かせるという。

 そうやっておっさんと共に「天女」としての仕事をすることになる主人公だが……。

 それから更に長いスパンが一気に進むことで、読者は何十年という長い時間の物語を一挙に楽しむことができます。

 おっさんと「僕」の行く末。最終的に「天女」の役割として行きつくところ。

 思わぬ着地、そして更なる広がりの感じられるラストに「おお!」と感嘆させられました。短いながらもしっかりと作り込まれた世界観とストーリーが本当に素晴らしかったです。

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