主人公はタクシー運転手。
お客とは運転中しか関わらないものの、車内という密室にいるわけですからね。
個人情報が集まってくるわけです。
考え方とか、性癖とか……なんだか図書館に行きたがってるだとか。
それも一人や二人ではございません。
毎日のように何人ものお客を同じ目的地に連れて行ったら、気になりますよ。
図書館に行ってみると、近くに祠がありました。
見れば見るほど不思議です。
信楽焼のタヌキが飾られているのはなぜ? 人形供養でもあるまいし。
とはいえ、祠に来たらお願い事をしちゃいますよね。
ここから日常が一転。
そりゃ言えませんって。まさか夜ごと神さま(タヌキ)が転がりこんでくる、だなんて。
神さま仏さまタヌキさま。
くれぐれも願い事の件、よろしく頼みますよ。
私、一生秘密にしていきますので……どうか。
はてさて、彼の願いは叶うのか。
タヌキさまの真相とは?
そして、キャッチコピーにある「犯罪」とは?
柔らかな語りと、小気味いいジョークがリズミカルですよね。
お気に入りです。
タヌキは信用しちゃならん。改めてその事実を認識させられました。
主人公はタクシー運転手。彼の姪っ子がとある私立中学校を受験するというので、そこで合格できるようにと「神頼み」をすることになる。
その後、彼の周辺に「たぬき」が出現するように。たぬき、とにかく色々と臭くて汚い。それでも「神様」的な何かなのかと、たぬきの言葉に従って「祠」を探すことになるのだが……。
たぬき、が小説に出てきた段階で、色々と「裏」がある気がしてならなくなる。たぬきは人を化かすものだし、どうしても「神頼み」とかをした先ですんなりと上手く行くような気もしない。
一体、どこに落とし穴がある? そして彼の迎える結末は?
ほっこりした雰囲気を持っているようでありながら、どこか油断ならない緊張感も漂う作品。
最終的に、読者はどこへ連れて行かれることになるのか。本作を紐解いて是非とも見届けていただきたいです。