ストーリーは難解です。
2回読み返しました。
おそらく、皆様、そうなると思います。
これをかいたのは高校生です!
日常の中に潜む非日常、友情と裏切り、復讐と救いを巧みに織り交ぜた壮大なファンタジーです。ファンタジーだと信じたい。でも、リアルワールドにいそうな位にリアルに感じられる瞬間が何回も来ます。
主人公・直哉の視点から描かれる物語は、暑い夏の、のどかでなごやかな日常から始まり、やがて世界の終焉に繋がる陰謀へと展開していきます。
親友・優樹の言動が最初は冗談のように見えて、次第に真実味を帯びていくプロセスは、
読者にも現実と幻想の境界を曖昧にさせ、物語に没入させられます。きっとどなた様も。
直哉の過去と抱える闇はあまりにも重く、彼の選択の悲しさと、それを止めようとする優樹の信念との対比がものすごく印象的です。
最終的に直哉が自らに終止符を打つことで、物語は大きな犠牲の上に立つ平和と、残された者の苦しみと戦いが静かに始まります。
善悪の曖昧さと、ヒーローとは何かを深く考えさせられる作品、だと思います。
そして、今の世の中をまるで象徴しているようでした。