私は『まなみ』に囲まれている
翠野とをの
『まなみ』世界のルール
突然だが私の周りは全て『まなみ』だ。
そう、名前の『まなみ』。
今回はそんな私が送るまなみに囲まれた日常をお届けしたいと思う。
──────
「おはよー!」
教室のドアをくぐるとイツメンのライブ好きのまなみが挨拶してきた。
「おはー。今日早いんだね」
「車で送って貰ったんだよね」
「あー、それでか」
「ね美術部のまなみちゃん見てない?」
「ごめん。見てないわ」
「いいよー」
その5分後位に陸上部投擲女子のまなみに抱っこされて美術部のまなみがやってきた。
「2人とも何やってんの」
「遅れそうになって走ってたら後ろから陸上部投擲女子のまなみちゃんが走ってきてこのままじゃ遅刻するからっておんぶしてくれて」
「あーね、相変わらず陸上部投擲女子のまなみちゃん体力えげつねえわ。それよりライブ好きのまなみちゃんが探してたよ」
「ほんと? ありがとう」
「ほらみんな席につけー」
時間ぴったりに数学の3年4組担任のまなみ先生が入ってきてホームルームが始まる。
「ということで最近変質者が多いらしいので気をつけるように」
「「「はーい」」」
「それと今日の日直は出席番号22番のまなみ、な」
「はーい」
出席番号22番のまなみ君はだるそうな顔をして日直日誌を受け取った。
こうして学校生活が始まる。最初は面倒に感じるが○○のまなみと呼べば基本大丈夫なので慣れれば負担には感じなくなる。ただし……、
「これ吹奏楽部のまなみちゃんに渡してくれない?」
「いいけど、どれ? 私のクラス何人か吹奏楽部いるよ?」
「あ……」
「担当楽器とかは……」
「なんて言うんだっけ、あの金色で吹くやつ」
いや、トランペットだのチューバだのトロンボーンだの沢山あるだろ。
「あ! 確かポニーテールだったわその子」
「ならホルンのまなみちゃんだね」
……とまあこんな感じに困ることもあるがちゃんと二つ名を覚えていたり他の特徴を知っていたらどうにかなるのでま、大丈夫と言えるだろう。
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