かつて英雄と呼ばれた男アッシュと、人語を解する銀青色の幼竜リメアの旅を描く物語だ。焚き火での調理といった穏やかな日常描写の裏に、国家反逆の嫌疑や「龍語」を操る謎の少女、魔物を操る不審な刻印など、重厚な謎が幾層にも重なっている。英雄の抱える深いトラウマと、無邪気な幼竜の成長が独自の情緒を与えており、静かな筆致の中に熱い因縁を感じさせる構成が読者を惹きつける。王道ファンタジーを好む層や、訳ありの主人公、人間と人外の種族を超えた相棒関係に惹かれる読者に推奨する。