第4話 目利きクエスト
2層が解放され他のプレイヤーが流れている間私は1層をぶらつこうと思います。という事で1層にある鑑定系のスキルが貰えるんじゃあないかと言われている鍛冶屋のクエストを受けたいと思います。
内容は目利き。その鍛冶屋とお向かいの鍛冶屋の剣を見比べてどちらの剣かを当てるクエスト。
このクエストが看破とか鑑定のスキルが貰えるクエストでは無いかと言われているらしく。いく万のプレイヤーが挑戦しその鍛冶屋の親方に見る目なしの判子を押されたらしい。
〔 鉄の剣〕
ATK 150
耐久値200
これはお向さんの鉄の剣のスペック。一様見に行ってみたのだ。
そしてこれはガントレットの剣。クエスト受けれる所がガントレットの工房というらしい。
〔 鉄の剣〕
ATK 180
耐久値250
スペック的には結構差があって別物なんだけど。お値段がお向さん5000、ガントレットは15000と約3倍であまりにも高すぎると言うのであまりにプレイヤー達からの評価は良くない。
そんな差があってさぞ見た目も違いがあるのだろうと思うかもだが。実際は全く同じ。
今受けている2人組のプレイヤーはブツブツ言いながらうんうん唸っている。
そんな2人をいかついおっさんが呆れた顔して眺めていた。
「おっさんがここの親方か?」
ひとまず普通に依頼もしたいため話しかける。
ちらっとこちらを見た親方さんが何かスキルを発動したのだろう。報酬のスキルかな?一瞬不快感が襲った。
身体の中を覗かれたような。奥底を見抜かれたそうな不快感。多分看破系なのだろうなステータスを見られたか。
驚いた顔をしている親方さんを睨みつけて言った。
「何をした?乙女の中を覗こうなんてこの変態が」
「いや、知り合いに似てたもんでよ。ちょっと確認をとなまさか弾かれるとは思わなかった。」
弾かれた?そんな事はしてないが。まぁいい。
「クエストを受けたいんだけど同時に受けることは出来るのか?」
問題ないと言い奥から2本の剣を持ってたきた。
それを見た瞬間吹き出してしまった。
「これをプレイヤーたちは見抜けないのかwwwそりゃあおっさんもあんな顔をするはな」
久々にあんなに笑った。いやーここまで主張の強い剣は見た事ない。てか見れないなにこれ?僕が正解ですよと言わんばかりに輝いているんだがほんとになにこれ?
隣の2人組が私を睨みつけてくる。なんだやんのかコラ?
「なんだ?文句あるか?あ、先にクエスト受けたのはこちらです。解答権はこちら側にありますってか?ならさっさと答えてくれます~?」
ひとまず煽っておこう。まぁどうやってもこいつらは正解しないんだろうなぁ。
「…………こっちだこいつかガントレットの作った剣だ」
おぉ一様は親方の物を当てるか。まぁでもこれじゃあダメなんだろうなこれを見てると。
「残念だが違うな、さぁそっちの嬢ちゃんは?もうわかってんだろ?」
「ここまで主張されちゃあ間違えるわけない。はいこれ」
親方に渡した剣が心做しか喜んでるような光り方をした。わけがわからないよ。
「うんこいつが俺の打った剣だ。はぁやっとわかるやつが来て俺は嬉しいよ……」
うーんしんみりしちゃってるよ。見た感じほかの店よりもお高いからプレイヤー達にどやどや言われ続けたのだろう。それでこのクエストなのかな?わかるやつに売りたい。作りたいと。
「おいお前どうやった?どこがどう違う教えろ!」
よかったねぇと頷いてたら2人組に絡まれた。挟み込むようにして逃がさないようにもしている。厄介だなあ。
後ろにいるやつは武器に手をかけてやがるな。店中だぞお前ら。
ちらっと親方さんの方を見ると顎をクイッとやった。ヤッてしまえとの事だろうが私のステータスじゃあ多分勝てないぞこいつらに。レベルも上だろうし。
「はぁ……まぁいいかほらいいぞヤッてやる。ほらかかってこい」
ひとまず体を左右にカサカサ動かして煽る。煽り大事
「っ!このやろッッ」
結構古い煽りだから知らないとは思うのだが、煽っているとはわかったのだろう目の前にいるやつが武器を抜いた。てかキルしたらお話聞けなくなっちゃうよ?
「見たところルーキーだろ。これで十分だ。〔 ブレイクスラッシュ〕ッッ!」
目の前の……モブAくんの得物が赤く光っている。スキル発動のエフェクトか?かっこいい私もやってみるか。
せっかくだし新しい武器も試してみよう。ということで視線操作でアイテムボックスの装備欄を操作してアダマンタイトの剣を取り出した。モブくん達は武器をホルダー?とかにかけているが邪魔じゃないそれ?
あとは自身のステータスを右上に、左上にはアイテムボックス、今の所はそんなもんかな。アイテムボックスに入っている武器は4種。ちゃんと武器種だけ表示されるように設定済み。こんなふうに視界をいじれるのはちゃんとゲームなんだよなぁ。
ステータス欄にアクティブスキルがあってそこにあるのは急所切りと急所突きのふたつだけ。パッシブは……いっぱいあるから後で確認!
ひとまずスキルの発動がしたい。
「急所斬り~」
剣が黄色く光った。かっこいい!すごくいい。
モブ君と打ち合いたいけどスキル効果が切れちゃうので。モブくんAの左上からの切り下ろしをスレスレで回避して一回りしその勢いのまま首を切り付ける。
モブくんAの首が落ちた。一撃で落ちた。えぇ……?
「やわらか過ぎない?」
落ちた首をモブくんBに向けて蹴り視界を塞ぐ。少しかがみ右側から接近して切り上げ。
モブくんBは反応がおくれもろに攻撃を食らったがダメージがカスだったからか余裕の笑みを浮かべている。スキルの効果が高くてワンキル出来たのかな?分からねぇ~。
「ダメージとその速さを見たところAGI特化のビルドだな?多少反応はいい様だが次は当てれまい!!〔ビルドアップ 〕 〔コンボ〕〔 シールドバッシュ〕 」
モブくんBは大盾に片手剣装備だ。ビルドアップでステータスを上げて、コンボ……は回数かな?バフスキルなのだろう攻撃ヒットに応じてステか、ダメージに倍率付与かなー。シールドバッシュはスタンと見た。そこから畳み掛けるのだろう。てことはVITとSTR寄りか足は速くないし。 軽装なのは少しでも速さを確保するためかな?いや普通にこのスキル相性がいいだけか。スキルは全然調べてないしなぁ。
トンっと軽くジャンプ。モブくんBの頭上で無理やり体を下にひねり剣を振り回す!無駄なセリフを挟んでいたので余裕で交わす事が出来てクールタイムも終わっている!
「〔 急所斬り〕ぃぃぃぃッ!!」
首には当てることはできなかったが頭には当たった。
モブくんAの時は一撃だったが首と頭じゃあダメージ倍率が違うのかキル出来なかった。
着地と同時に地面を蹴って接近。
「〔 急所突き〕」
自在槍を装備してしたから殴り上げる。これは初心者の自在槍。保証ダメージ10おいちぃ~
ケツ穴を狙ったんだが残念そこは急所ではなかったらしい。いやもしかしたらちゃんと当たってなかったのかもしれない。
急所斬り、突きのクールタイムは脅威の10秒!回転が早い。のでもう終わっている急所切りを発動させてこっちに振り向いきながら振り回して来ている剣をしゃがんで避け。そのまま突き上げる!
がそれは顔をそらされかわされた。
モブくんBの体が薄くひかり距離を取られた。入口付近で盾を構えて言ってくる。
「こ、今回はこのぐらいで許してやる」
そう言って走りながら出ていった。だが私に喧嘩振っといて逃げ切れるとは思わないで欲しい。普通に気分を害している。ユルサナイ。
ガントレットに笑顔で頷きダッシュで追いかける。AGIは多分私の方が多い。さらに今ポイント振ってびっくりAGI200!
すぐに追いつき後ろから自在槍と飛ばし引っ掛け引き寄せてぇ!フルスイングぅぅぅ急所斬りィィィィ
だが首は切れずにモブくんBが吹っ飛んだ。バッタンバッタン地面に打ち付けられてるところに自在槍を飛ばす。自在槍結構自由がきいてほんとに便利。
うーん硬いなぁ体力を増やしているのかダメ軽減系のパッシブがあるのか。
AGI全振りじゃなくてSTRにも振った方がいいかな?いや全振りなら何かスキル生えるかもだしそれ確認してからでもいいか。
「そろそろ死んでくれてもいいのよ?」
しぶとく生きるモブくんBに話しかける。周りには野次馬が集まって賭けとかしている。止める気配はなく煽り立てる声が多い。これもNPCもリスポーンするからかな?
「お、お前の火力が低すぎんだよ……グハッッ」
自在槍で振り回しながら首を切り付けること20分やっとモブくんBは光となった。
ドロップ品も手に入れて追加のGも手に入れたぞやったぁ。
野次馬に手を振りながら気分よく工房へと帰った私はガントレットに一言謝った。ごめんね
「大丈夫だお前たちプレイヤーはそんなもんだろ。何回喧嘩になったか。このスキルの継承者も出来たしあいつらは出禁にする。ひとまずスキルを渡す簡単に詳細は出るだろうからそこから見てくれ。俺も正直使いこなせてないんだ。」
なんかちょくちょくメタいんだよね。中の人いる?
まぁいいかステータスかくにーん
Lv:16
STP:0
272502G
HP:1000()
MP:1000()
STR:0()
VIT:0()
AGI:200()
INT:0()
DEX:0()
LUK:0()
アクティブスキル
【急所切り】
【急所突き】
パッシブスキル
【コンボスター】
【破壊王】
【剣舞】
【無謀】
【大物食い】
エクストラスキル
【神ノ目】
ユニークスキル
【第六感】
おぉ増えてる増えてる。
えーとスキル詳細はーと
【神ノ目】
目に関するスキルを基本的に使える。
あとは君次第でより多くの物を見ることが出来るだろう。
うーん?クールタイムやら、効果とか書いてないが?
ちなみに急所斬りくんはこれ
【急所斬り】
発動後。敵の急所に攻撃が当たると
その部位のダメージを倍にする
クールタイム10秒
任意発動なのかな?ちょっと使ってみるか。鉄の剣に向けてスキルを発動する。
「〔 神ノ目〕」
〔鉄の剣〕
ガントレットが作成したただの鉄の剣。一つ一つ丁寧に作られている。見る人が見ると持ち手を現れるのをウキウキして待っているのを感じるだろう。彼はプレイヤーが嫌いだ。高いだけのぼったくりと言うプレイヤーを彼は嫌っている。だが君の事は好印象なようだ。見る目があると。
うーん?フレーバーテキストにしてはなんだかな~て。ただ私の脳みその出来は悪くこういった考察出来るような脳みそではない。仕方ないメルダーに投げつけよう。
ステータスを確認してもMPとかは減ってないみたいだ。クールタイムかな?
「〔 神ノ目〕」
…………同じ文だなクールタイムも無い。強すぎ?
「俺も似たようなことをしたなぁ懐かしい。こいつはMPもクールタイムも無いぞ好きに使える。 ほんとに便利だぞ」
親方も手に入れた時に同じ感想を抱いたようだ。便利だと思うこれ。
あ、そうそう依頼をするんだったよく思い出した。
「そうそう作って欲しい物があってな。予算15万ぐらいまでなら出せる」
そう言ってゴロゴロとアダマンタイトを複数置いた。
「篭手を作って欲しくてね、左右ねパリィとかをメインでやりたいから耐久値高めで、筋力ないからどちらかと言うと弾くよりは受け流すことが多くなると思うから全体的に曲線?まぁ丸くなってて欲しい。後できるだけごつくない感じだ頼みたい。」
「うーんそうだな、ひとまずステータスを見せてもらえるか?全体的に把握してた方がいいものを作りやすいあとスキルもな。」
親方さんはこだわるタイプの職人らしいしそりゃあステータス知っていた方がいいものが出来るか。変な事には使われないだろう。ステータスも個人情報みたいなもんだしな。ちょっとプレイヤー疑惑あるんだけどこの人。晒されたりしないかな?
じとーとした目を向けながらステータスウィンドウを渡す。NPCもプレイヤーと同じことができるからロールプレイしてる人とかも居そうだしなぁ怖いなぁ。
ステータスを見た親方さんの目が見開いている。まぁそうだよねAGI全振りだもんね驚くよね。てか装備条件にステータスが必要な場合があるらしいしもしかして作れないとか?
「どう?ダメそう?」
「いや、うんステータスにも驚いた。けどこのステータスで1階層のアダマンタイトゴーレムを倒したのも驚いている。いや待て?このレベルて言うことは嬢ちゃんレベル1で倒したのか?」
あ、聞こえているのね。ここまでも同じなのか?いやさすがにプレイヤー?
「あ、違うぞ俺はプレイヤーじゃあない。不死人だ。いやお前たちも不死人だがな。ややこしいな」
プレイヤーを認知してるNPCは怖ない?ど、どうなんだこいつはほんとにプレイヤーなのか?わ、分からない。ただ信じるしかない……か。
「どっちでもいい。この世界に来て一番最初に戦闘をした。で、どうなの?作れる?流石に装備条件に引っかかる?」
首を振って大丈夫だと答えた。ただ他の素材やらも使うからとせめて18はかかると言われた。ひとまずその分いいものを頼むと言っといた。
「あとはここの雑貨屋に行って見てほしい。ここも少し高いが嬢ちゃんだったら使いこなせると思う。後この手紙も渡して欲しい。」
クエスト表記は……なし。そういえばさっきのやつもクエスト表記はなかった。てか、受注クエスト一覧も無い。
場所はここから近いなそこまで時間はかからない。
店名はウィリアムの魔法店。魔法店かスキルとかが売っているのかな?雑貨屋と言ってたしなんでも売っているのだろうな。
「わかった。特に行くとこないし行ってみるよ。受け取りはいつ頃になりそう?」
「そうだな2日後に来てくれたらいい。その頃には出来ている。楽しみにしとけ。」
「わかった楽しみにしてる。あと嬢ちゃんはやめろ。アリスト呼んで」
よし。次の予定も決まった。一度ログアウトしようかな体力的にはまだまだいけるが一度利用時間をリセットしとかないと。ボスとの戦闘で時間かかって強制ログアウトとか笑えない。
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