@YAFUSAFU

 ずっと昔、皆で草むらで寝ころんでいたことを思い出した。夜の星は鮮明で、明るくて、手が届きそうな近さだった。そんな風に見えていただけかもしれない。星に想いを馳せ、皆と語り合った。

 しばらくすると道ができた。前からあったのかもしれない。どこへ続くかも分からない道に街灯がまぶしく光り、私たちを導いていた。皆がふらふらとその道を行く。どこへ行くのだろう。どこへ向かうのだろう。眺めていたはずの星の光は小さくなり、いつの間にか街灯に消された。

 道の先にはビルが立ち並んでいた。夜に輝く街並みに皆興味津々だったが、すぐ何でもないものであることに気づいた。その街に適応し、皆ビルの中に消えていった。

 私は今何をしているのだろう。何故昔、空を見ていたのだろう。ビルの下で仰向けになる。あそこで空を見続けていたら何か変わったのだろうか。だけどもう戻れない。歩んだ道などとっくに忘れてしまった。空をじっと眺める。今も星が輝いているはずだ。あんなにも輝いていた星があるはずなのだ。ビルの光はあまりに強く、私の目も老いてしまった。もう星を見ることはできないのだと思う。落ち込むが、すぐそんなことは忘れるだろうと思い直し立ち上がる。私の奇抜な行動が衆目を集めていると気付く。二度とこんなことはしないと心に誓い、帰路につく。

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