人はみんな、助けを求めている。深刻な助けを求める声もあれば、そうでない声もあるけれど。一番恐ろしいのは、沈黙の助けを求める声。周波数のない声には、誰も来ない。だから、音に頼らず見つけてくれた人のことを、支えにする。懐いて、好いて、好いて、好いて……。人は、色々な表情をする。笑顔。……大輪の笑顔? 淡い微笑み? 心の中だけ?涙。……号泣? 呻く? 隠す?表情が淡い人も、濃い人も、大袈裟な人もいる。そんな、ちょっとしたすれ違いから生まれた、漆黒の色の物語。