【台本】一目惚れ
おかぴ
一目惚れ
◯瑛太の家の玄関
(SE:ドアが開く音)
瑛太「ただいまー」
旭「おじゃましまーす……」
瑛太「おう。入れ入れー」
旭「だけどさ。突然押しかけてきてよかったのかな」
瑛太「水臭いこというなって。お前、この前の失恋引きずってるし」
旭「うう……」
瑛太「ホント、ひどい話だよな……」
旭「まひろさん……『私、優しい人が好み』って言ってたじゃん……なんで……」
瑛太「よりにもよって優しさどころか暴力とサディスティックの
旭「それだけならまだいいけどさ……なにもみんなの前で
瑛太「『あさひくんごめんね。でも沢口くんってホントは優しいの。キミも優しいけど、なんだかおじいちゃんみたい(笑)』」
瑛太「『だってよwww まぁお前はまひろの幸せを願いながら老人ホームで静かに余生を過ごすんだなwww』」
瑛太「だっけ」
旭「うわぁぁあああん!!」
瑛太「待て! 俺が悪かった! 俺が悪かったから泣き叫ばないでくれっ!!」
旭「うう……ごめん
瑛太「ふぅ……」
旭「……でもさ。
瑛太「ん? まぁな」
旭「あのあと沢口くんに無言でドロップキックしてくれてさ」
旭「『てめーら
旭「『特別サービスで
瑛太「そのあと関元センセにめちゃくちゃ怒られたけどな(笑) しかも沢口たちからの謝罪は
旭「んーん……ぼくは嬉しかったよ。ありがと」
瑛太「ならよかった。その代わり俺が困ってたら助けてくれな」
旭「僕で力になれることなら」
瑛太「おう! んじゃ今日は遊ぼうぜ! 俺は先に洗濯物出して弁当箱洗うからさ。先に俺の部屋に行ってなよ」
旭「えー……やだよ一人にしないでよ……」
瑛太「え、なんで?」
旭「だって
瑛太「余計な心配すんなって。今日は親はふたりとも仕事で夜遅いはずだし」
旭「だとしても心細いよ……」
瑛太「お前、どんだけ度胸ないの……とにかく! 階段上がってすぐ右。立て札立てかけてあるからすぐわかると思う」
旭「えー……」
瑛太「んじゃなー。バヒューン」
旭「……行ってしまった……仕方ない。二階に上がるか」
(SE:階段を上がる音)
旭「えーと……立て札って……これか。『おっぱい教
(SE:ドアをゆっくり開く音)
旭「失礼しまーす……うおっ。けっこう散らかってるなぁ……」
旭「足の踏み場がない……ちょっとは片付けなよ……」
(SE:ビニール袋のカサカサ音)
旭「……よし。座る場所は確保した。よっこいしょ……」
一夏「
(SE:ドアが開く音)
一夏「ありゃ?
旭「!?」
一夏「誰?
旭「は、は、は、はい……」
一夏「そっかそっか。私は
旭「あ、あ、あ……あ、あの……(しどろもどろ)」
一夏「どうしたどうした(笑) 落ち着け落ち着け(笑)」
旭「あ、あの! ぼ、ぼ、ぼくは、
一夏「アサヒくんか。よろしくねー」
旭「は、は、はいっ!」
瑛太「ありゃ。
一夏「
瑛太「ああ。こいつ俺の友達でさ。今日は一緒に遊ぼうと思って」
一夏「そかそか」
瑛太「というわけで
一夏「なんだろ。ここは姉ちゃん力アピールのために飲み物とお菓子の差し入れとかした方がいい?」
瑛太「いいよ別に。自分たちでやるからさ。なぁ
旭「……」
瑛太「?」
一夏「そっか。んじゃ私は自分の部屋にいるから」
瑛太「……あ。ああ。あいよ」
一夏「
旭「……」
(SE:ドア閉じる音)
瑛太「
旭「……」
瑛太「まぁいいや。喉乾いたら言ってくれ! 口さみしくなったらポテチもあるからって……
旭「(ポツリと)落ちた……」
瑛太「どうした? 気分悪いのか?」
旭「落ちた……落ちた……」
瑛太「んんー? どうした?」
旭「わかんない……わかんないけど……」
瑛太「? ??」
旭「落ちちゃった……かも……」
瑛太「へ?」
旭「え、
瑛太「うん?」
旭「なんかさ。耳が変なんだよ。めっちゃ熱いし、なんか奥の方でゴゴゴって鳴ってるの。なんか……変じゃない?」
瑛太「んー? ちょっと見せてみ……ってお前! 耳どころか顔まっかっかだぞ!?」
旭「うう……」
瑛太「ちょっとデコチンこっち見せてみ……って、あっつ!? なんだ風邪か!? 熱出てるのか!?」
旭「そうじゃないけど……」
瑛太「待ってろちょっと体温計持ってくるから……」
(SE:ドアが開く音)
一夏「なんか大騒ぎしてるみたいだけど、どうかしたー?」
旭「うひゃぁあああああっ!?」
瑛太「
一夏「ぇえ!? 大変だ!!」
瑛太「体温計どこだっけ? あと冷えピタってまだ残ってたか?」
一夏「確かまだあったと思うけどー……」
旭「待って! 大丈夫! 大丈夫だから!!」
一夏「そうなの?」
瑛太「大丈夫なわけあるか! こんなに顔真っ赤で、顔だってめっちゃポッポしてるし!!」
旭「ホントに、大丈夫だから……!」
瑛太・一夏「……ならいいけど……」
一夏「んじゃ私は部屋に戻るけど、何かあったら呼んでね?」
瑛太「おう」
一夏「
旭「……ア、アジガト……ゴジャマス……」
(SE:ドアが閉じる音)
瑛太「ホントに大丈夫か?」
旭「わかんない……大丈夫だけど、大丈夫じゃない……かも……」
瑛太「?」
旭「(ポソリと)……ねぇ
瑛太「ん?」
旭「(ポツリと)お姉さんの声、めっちゃキレイだね……」
瑛太「そうかー?」
瑛太「……?」
瑛太「……!?」
瑛太「まさかお前……!?」
旭「うん……落ちたかもしれない……」
瑛太「マジで?」
旭「うん……つーか多分落ちてる……」
瑛太「……」
旭「さっきからさ。お姉さんの声が耳から離れないんよ」
旭「んでさ。聞こえるたびに胸がドキドキ痛くてさ。思い出さないようにするんだけど、そしたら声が聞こえなくなってすごくさみしくてさ……」
瑛太「え……お前、それ相当重症じゃね……?」
旭「かもしれない……」
(SE:スマホさわさわする音)
瑛太「
旭「うん?」
瑛太「ほれ。
旭「ひやぁぁあああああっ!? 突然こっち向けないで!!」
旭「見られてる! お姉さんに見られてる! お姉さんと目が合っちゃうッ!?」
瑛太「欲しい?」
旭「で、でもお姉さんに無断でもらうなんて……!」
瑛太「いらない?」
旭「あ、で、でも、違くて……ど、どうしよ……」
瑛太「……いまLINEで送るな」
旭「う、うん……」
瑛太「ほい送った」
旭「あ、ありがと……」
瑛太「ゆぉーうぇるかむ」
(SE:スマホさわさわの音)
旭「……っ!!」
瑛太「どうした?」
旭「目、目、開けられない……ッ ま、眩しくって……ッ」
瑛太「そうか」
旭「……よ、よし目を開くぞッ」
旭「ふぬッ!!」
旭「ふわぁぁぁあああああんっ!?」
瑛太「……」
旭「見、見られないよ……ただの自撮りなのに、恥ずかしい……」
旭「閉じないと……LINE閉じないと!!」
(SE:スマホさわさわの音)
旭「……ねぇ
瑛太「ん?」
旭「どうしよう……お姉さんの自撮りが見られなくて、すごくさみしい……」
旭「めちゃくちゃさみしい……まるで遊園地で迷子になったときみたいだ……」
瑛太「……」
瑛太「……
旭「そ、そっか……! それだ……!!」
(SE:スマホさわさわの音)
旭「よ、よし……開くよ……」
瑛太「早くしなよ」
旭「う、うん……えいっ」
旭「ふわぁぁぁあああああんっ!?」
瑛太「……」
旭「どうしよう
瑛太「お前、こんなにアホだったっけ……?」
旭「アホって言わないでよー……」
瑛太「いやまぁまひろみたいなクソ女よりはうちの
旭「ああ、そういやいたねぇまひろさんて人」
瑛太「失恋が記憶から抹消されたぐらいショッキングな一目惚れだったわけか……」
旭「いま聞くと大嫌いなピーマンと同レベルの
瑛太「大嫌いなピーマンと同列に語ってるあたり、ホントに
瑛太「でもさ。なんで
旭「か、かわいいよ!! お姉さん、めちゃくちゃキレイで可愛くて、この世のものとは思えないよ!!!」
瑛太「この世のものとは思えないってところがちょっとコンプラ的にどうかと思うけど、それぐらい舞い上がってんだな今の
旭「そんなんわかんないよー。でも、お姉さんすごく目がキレイでキラキラ輝いてるように見えて……」
瑛太「
旭「なんかサラッサラでキレイな髪が、ラメ入ってるみたいにキラキラしてて……」
瑛太「別にそんなキラキラなヘアメイクはしてなかったと思うけどなぁ」
旭「なんか『キラキラッ』て効果音が鳴ってて、お姉さんの周りには楽しそうにひらひら踊ってる妖精さんたちがいて……」
瑛太「
旭「ね、ねぇ?」
瑛太「ん?」
旭「お姉さんてさ。ど、動物園とか、好きかな?」
瑛太「なんでだ? 誘うのか?」
旭「う、うん……できれば……」
瑛太「
瑛太「好きは好きだったと思う。小さい頃はアメリカバイソンが好きで、よくバイソンの檻の前で『お、おお……おおう……』てひょっとこみたいな口して
旭「……」
瑛太「でも今も好きかどうかは……ん? 口押さえてどうした? 涙目になってんぞ?」
旭「か、カワイイ……なんて可愛い人なんだお姉さん……」
瑛太「今のが!?」
旭「どうしよう……可愛すぎて心臓止まりそう……ハァーハァー……
瑛太「
旭「だって……お姉さん可愛すぎて死んじゃう……ッ」
瑛太「んな大げさな……つーかいま聞いてきちゃるよ」
旭「ま、まって……!」
瑛太「いいからいいから。ちょっと待ってろ〜っと……」
(SE:ドア開く音)
瑛太「姉ちゃーん。ちょっといいかー」
一夏「なにー? どうしたー?」
旭「ふぐッ!?」
瑛太「
一夏「そんな昔のことよく覚えてたねぇ」
瑛太「今も好きなん? つーか彼氏と動物園デートとか
一夏「突然なんなんwww」
旭「ダメダメダメ……! 核心に近づきすぎてるよ
一夏「いいねぇ動物園デート。今も好きだよ。相変わらずバイソンの前でオウオウ言うと思う」
旭「はうッ!?(格ゲーで攻撃食らったときの悲鳴みたいな声)」
瑛太「やっぱりwww
一夏「
瑛太「うるせーwww ありがと
一夏「はーい」
(SE:ドア開く音)
瑛太「ただいまー。聞こえてたと思うけど
旭「カヒュー……カヒュー……(呼吸困難な呼吸音)」
瑛太「大丈夫か!?」
旭「お姉さん、可愛すぎて……心臓が……カハッカハッ」
瑛太「ああ、そういうことねー」
旭「助けて
瑛太「多分違うと思う」
(SE:ドアが開く音)
一夏「そうだった。
旭「ほわぁぁああああっ!?」
瑛太「
一夏「……ねえ
瑛太「大丈夫大丈夫。AEDはいらないから」
一夏「? まぁいいか。そろそろ晩ごはんの準備はじめるけど、なにかリクエストある?」
瑛太「ぇえ〜もお? でも別に俺はまだ……」
一夏「
旭「カヒュー……カヒュー……(虫の息)」
一夏「ほら
瑛太「
一夏「それよりほら。リクエストは?」
旭「……ぐあッ!? くはぁー……死ぬかと思った……」
一夏「あ、
瑛太「でも
一夏「わかんないよー? 試しに言ってみたら、私も案外作れるかもよ?」
瑛太「んじゃ、ハンバーグ」
旭「ハァ……ハァ……ハァ……ッ」
一夏「了解。中華丼ねー」
旭「ぐはッ!?(血を吐いた感じで)」
瑛太「なんだよ結局中華丼じゃんかっ」
一夏「しょうがないじゃん中華丼しか作れないんだからー」
旭「なんで……なんでこんなボケ倒しが可愛いの……お姉さん……ッ……ゲフッ!?」
一夏「……
瑛太「え? なんで?」
一夏「だって、さっきからなんか変じゃん。今だって殺人事件の死体みたいなポーズで倒れてるし。今にも
瑛太「ほっといてやって……」
一夏「はーい。んじゃパパッと作ってきちゃうねー。できたら呼ぶよ」
瑛太「あいよー」
一夏「
旭「……」
瑛太「返事が無い。ただの
一夏「んじゃねー」
(SE:ドア閉じる音)
瑛太「
旭「……ブハッ!?」
旭「どうしよう
瑛太「よかったじゃんか。一目惚れ初日に
旭「食べていいのかな!? そんな恐れ多いことして、ぼく死んじゃったりしない!?」
瑛太「お前もう今日だけで何回も生死の境を彷徨ってるだろ……」
旭「どうしよう……ぼくの人生決まっちゃうけどいいのかな……
瑛太「晩飯作ってくれるってだけでもう結婚まで視野に入れてるの!?」
旭「だって! ぼくのご飯作ってくれるって、つまりそういうことでしょ!? 違うの!?」
瑛太「違うだろ!?」
一夏「
瑛太「はーい。ほらできたってさ。下行こうぜ」
旭「……」
瑛太「?
旭「『
旭「なんて美しい響きなんだろう……まるで
瑛太「何言ってるんだよ早く行くぞって」
旭「ごめん
瑛太「何いってんだか……ほら行くぞー」
(SE:足音ドタドタ)
旭「あっ……! ちょっと待って手引っ張らないで……!! 階段危ないッ!?」
瑛太「階段降りて〜……よし着いた。うちの居間だ!」
旭「!?」
瑛太「ん? どうしたー?」
旭「居間に続くドアから光が漏れてる……なんて
瑛太「アホなこと行ってないで先に行くぞー」
(SE:ドア開く音)
一夏「おっ。やっときた」
旭「ほわぁぁぁああああ!!! ま、眩しいッ!? な、なんて
旭「こんな中華丼は初めてだ!! なんだこの優しいグリーンの輝きは……!? 神の祝福をふんだんに取り入れているというのか……ッ!?」
瑛太「おまたせ〜……って何これ?」
一夏「何って、いつもの中華丼」
瑛太「いつもの中華丼よりピーマンの割合多いじゃん。つーかピーマンしかないじゃん。こりゃ中華丼っつーかピーマン丼じゃね?」
一夏「いいじゃん私ピーマン好きだし」
瑛太「別にいいけどさ。でも
一夏「え? そうなの? ごめんね
瑛太「ピーマン避けたらあとはウズラのたまごしか残って無いだろ……」
旭「そんなことないです! ぼくもピーマン好きです!」
一夏「なぁんだ! ならよかった!」
瑛太「あれ? そうだっけ? でもさっきピーマン嫌いって話してなかったっけ?」
旭「ピーマンってどうしようもない青臭さとあとを引く苦々しさが
瑛太「それ、嫌いな物を食べたときの反応じゃね?」
一夏「そうだよね! 苦みと香りが
瑛太「あれ!?」
旭「はい!」
瑛太「なんか変なところで歯車が噛み合い出したぞ?」
一夏「よかったー安心した! ほら。座って座って!」
旭「はい! 失礼します!」
瑛太「ま、まぁ、本人たちがいいならいいのか?
旭「じ、じゃあ、いただきます!」
一夏「はい召し上がれー」
旭「うまい! サイッコーにおいしい!!!」
瑛太「待て待てまだ口に入れてすらないだろ」
一夏「
旭「は、はい! では……!」
(SE:食器のカチャカチャ音)
(SE:
(SE:ゾワゾワァァアアアって感じの鳥肌の音)
旭「おいしぃぃいいいい! 鳥肌が止まりません!!!」
瑛太「命削ってるなぁ
一夏「美味しそうに食べてくれてありがとう!」
瑛太「
旭「(なんか虚ろな言い方で)天にも昇る心地です……亡くなったひいじいちゃんが川の向こうでツイスト踊ってるのが見えます……」
瑛太「ホントに天に昇りかけてるじゃねーか!! 死因がピーマンて笑えないぞ!?」
一夏「アッハッハ!
瑛太「面白くねーから! 今まさに生きるか死ぬかの
旭「ぐぶッ!? ……あー落ち着いたー……」
瑛太「大丈夫か?」
旭「
瑛太「人の気持ちが分かるようになってなによりだよ……」
一夏「それはそうとさ。一緒に写真取ろうよ」
旭「!? なんですと!?」
瑛太「突然どうした
一夏「いやぁ、せっかく
瑛太「俺はいいけど……」
一夏「いやあんたとじゃないからwww
瑛太「わかってるわいそんなことー!
旭「ムリムリムリムリムリムリ!! 一人でお姉さんと写真って恐れ多くてムリムリムリ!!!」
瑛太「だよなぁ〜……」
一夏「ぇえ〜。いいじゃん二人で写真撮るだけなんだし〜」
旭「ムリムリムリほんとにムリ! (必死に)
瑛太「
(SE:立ち上がる音)
一夏「仕方ないなぁ。ほら!」
旭「あッ!? お姉さん待って!! 突然来て肩抱かないで! 密着しないで死んじゃう!!」
一夏「ほら
瑛太「いいけど……
一夏「ほら
瑛太「わかったからグイグイひっぱるなって……!」
旭「あッ!? 待って!! 顔くっつけないで!! いい匂いしちゃう!」
一夏「だって顔くっつけないと三人入らないし! ほらもっと顔くっつけて!!」
旭「ダメ! お姉さんダメ! 出ちゃう! 魂が鼻からはみ出ちゃう!?」
一夏「うっはwww
旭「頬ずりされとる! すべすべお肌のお姉さんにスリスリ頬ずりされとるぅぅうううう!?」
瑛太「
一夏「ねぇちょっとまって
旭「カヒュー……カヒュー……(呼吸困難)」
瑛太「耐えろ
一夏「いえーい!」
(SE:スマホのシャッター音)
一夏「はーいふたりともおつかれさまー」
瑛太「ほら
一夏「デュフフフwww
瑛太「何アホなこと言ってるんだよこれ以上は
一夏「
瑛太「ほらこれ……!?」
一夏「!?」
瑛太「……」
一夏「なにこの写真……白目
瑛太「この煙、顔みたいに見えるよな……
一夏「
瑛太「これ……
旭「
瑛太「!? うわぁぁあああ!」
一夏「
旭「ふたりとも……生前は大変お世話になりました……もう、思い残すことはありません……(少しエコー)」
瑛太「待て! 行くな
一夏「
旭「ありがとう……ふたりとも、ほんとうにありがとう……(少しエコー)」
旭「……こうして、
旭「でも
旭「……そして、1ヶ月後」
◯1ヶ月後 動物園入場口前
旭「三人で動物園で遊ぶはずが……
旭「純粋に嬉しいけど……大丈夫かな……この前みたいに死ななきゃいいけど……」
旭「つーか入場口で待ち合わせでいいんだよな? 間違えてないよな……確認確認……よし大丈夫」
旭「ドキドキ……」
一夏「おまたせー!」
旭「あ、
一夏「いやー準備にちょっと手間取っちゃって」
旭「いやあの、えっと……」
一夏「んー? どうしたー?」
旭「えっと……私服、初めて見た、ので……」
一夏「ああ。この前友達の
旭「あ、あの……とてもよく……似合って、ます……」
一夏「ありがと!
旭「ゴバァアッ!?(吐血)」
一夏「今日は死んじゃダメだよー。
旭「は、はい……ぐぶッ……」
一夏「んじゃ入ろっか。早くアメリカバイソン見たいし」
旭「はい!」
一夏「ところで
旭「はい?」
一夏「手、つなぐ?」
旭「はわッ!? 突然なんで!?」
一夏「いや、なんとなくだけど。どうする?」
旭「お、恐れ多いです! 死んじゃいます!!」
一夏「そっか」
旭「は、はい……すみません……」
一夏「いえいえ」
(間)
一夏「……やっぱり、手つなご」
旭「う……」
一夏「ほら」
旭「は、はい……じゃあ、失礼します……」
一夏「うん」
終わり。
【台本】一目惚れ おかぴ @okapi
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