恋愛ごっこしましょう、ねぇ、先輩
皐月風
第1話 有益な情報あつめ
僕は中高大の私立城帝学園に、高校から、外部入学した。1年生は、外部だけのクラスで、寮生も二人1組の外部生同士となる。だが、2年生からは、内部生混合になるし、部屋こそ違うが、内部生が隣の部屋だったり、各寮には、名前までついてる。AからDまでの4棟である。男子校なのである。
別に好きで選んだ訳でなく、偏差値が高く、品格がありそうだからでしかない。
本来なら、万年金欠の母子家庭の僕には、縁のない高額費用のかかる学校だが、母の再婚相手が、ただ、金持ちだっただけ、新婚家庭に、要するに僕は、居づらくて、条件に合うこの学校を、選んだ。豪華な校舎、広大な敷地、完全鉄壁な警備、これらが、魅力で、毎日の持てる時間全てを、勉強に、費やした。無事合格したものの、寮生活初心者な上に、自分で言うのもなんだが、小学生の頃は髪が長かったせいか、よく女子に、間違われた。体を、鍛える間なく勉強、身長は、人並みだが、体力と、体つきは華奢、肉付きが、薄い。
そこで、考えたのは、護身のためには、上級生に、庇護を、求める。
これに限る、打算だろうが、なんだろうが、まずは、リサーチだ。
上手い具合に、隣の進級組の、新聞部、廊下で、待ち伏せて
「おつかれー、あのさぁ、僕まだ、ここへ来たばかりで、わかんない事だらけなんだぁ」
と、媚びるような、上目使いで、話をもちかける。相手は、もちろん、ビックリだよねぇ
「えっ?どういう事!君だれ?」
「あっ、隣の部屋の外部入学した新垣唯斗(あらがきゆいと)宜しく」
「あぁ、外部生ね」
彼が、軽く扱うのも、まあ、理解できる、つまり、内部生は、難関をクリアした上に、皆、相当のセレブ様なのだ、外部生は、成績重視だから、まあ、プチセレブでも、入学可能なのだ
まずは、相手を持ち上げる
「凄い素敵な学校だよねぇ、外観内装、びっくりしたよ。中学から、伝統ある、ここで、生活できてた君がうらやましいよ」
「まあね、君こそ、難関だったんじゃない」
「そこそこ、頑張ったよ。これ、差し入れ」
「へぇ、あっ僕は
「知ってる、新聞部の、佐武誠人(さたけまこと)くんだろ、高校でも、新聞部なんて、将来ジャーナリスト志望?」
「そうだけど、君って詮索好き?」
「とんでもない、詮索なんて、友達に、なりたくてさぁ、僕、ここの事知らないし、寮暮しも、初めてだからさぁ」
「解った、分からないこと、あったら、聞いて教えるから、もうすぐ、夕飯の時間だし、食堂の場所分かる?」
「うん、大丈夫、これからも、よろしくね」
僕は、最上の笑顔で、彼の手を、取り、握手した
佐竹は、ちょっと、驚いてはいたが、握手に、応じた。その時ちょうど、僕らの部屋のドアが開き
「新垣、夕飯いくぞ」同室に、なった西堂司(さいとうつかさ)が出てきた
「あっ、今行く、じゃあ、また、」
僕は西堂と、食堂へと、向かった。食べながら、さっきの、相手隣室の人かな?と聞かれ、一応話した。
「すごいなぁ、お前、誰とでも、話せるんだねぇ、人垂らし系か」
僕は、笑いながら、そんなこと、ないって、たまたま、廊下で、あったから、隣室だし、挨拶しただけさと、適当に話した。
そう、同室の西堂とは、何回かあっている、中学は、違うが、塾で、同じ教室でも、なかったが、全国模試や、塾関係の模試でも、顔を合わせてるし、同じ学園目指してる関係もあって、まあ、友人関係は、築いていた。
食事を、終えたら自習室での、宿題、復習、予習だ。食事は、栄養バランス、アレルギーなど、考慮され、僕にとっては、完全食な、ところが最高だ。しかも、静かな音楽が流れ、優雅さを華美している。
自習室は、机が並べられ、図書館が、併設されていて、関連資料が、全て、整えられている
さすがの、一言だ。しかも、自習室は、24時間自由に使える。
入退室は、生徒手帳に挟まれている、身分証明カードの、スライドシステムで、管理されてる
忘れても、司書の方の顔認証システムで、補完されている、何とも至れり尽くせりだ
平日は、そんな感じの繰り返し、ただし、消灯点呼は、全員部屋の外に立ち、名前を、呼ばれたら、返事をする。あと、体調報告を各棟の学年代表と副代表が、巡回することに、なっている
そんなこんなで、数日が過ぎ、僕は、早速、休日学生たちの、集うサロンへ、隣室の佐竹を、連れ出した。豪華な寮だけに、まあ、休憩室とでも、言おうか、サロンが、寮の各階には、ある、個室あり、円卓型の5.6.は、集まれそうな場所がいくつかあり、仕切りを、外せば、全員が、集まれる、舞台鑑賞にも、使われる。まさに、セレブ校である。
そこの個室に、僕は、佐竹を誘った、聞き出す目的は、別格の上級生だ、誰もが、認めるこの学園のトップだ。この人に、近づけば、誰も、手が出せない、唯一のナイトを、射止めるために、まあ、相手は、情報通の新聞部しかも、内部生、取っておきのカモなのだ。
まずは、他愛のない、学校の日々の話から入り、各教科の先生の話などをする、勿論手土産は、そのために、用意した、お菓子に、飲み物は、当然の事だ
「で、生徒会とか、すごいメンバーなんだろうなぁ、あがれるなぁ」
「そりゃあそーさ、今年の生徒会派、すごいよ、まだ、2年生なんだけど、学年トップ、スポーツ万能で、僕らでさえ、憧れる先輩で、3年生でさえ、一目置く存在で、大財閥の、御曹司さまなんだよ」
キタキタ、これだよ、まあ、2年間庇護があれば、何とかなるし、大学も、敷地内、上手く行けば、ずーと、安泰だ。
「へぇー、そんなすごいんた。でも、あんまり、騒がれてないね」
「まあ、近づけないというか、護衛がついてるからね、執事みたいな二人が、いるから、孤高の存在かぁ、校内新聞の写真撮影も、ライティングから、アングルから、この二人の指示だからねぇ、ゲラまで、検閲する始末さ」
どうやら、新聞部といえど、扱いづらい、御仁のようだ。僕は、ますます、闘志を、燃やす。この人を射止めたら、この執事2名も、付属付きだ
「その人なんていうの?」
「そうか、まだ、知らないか、北里真司郎先輩だよ。去年の夏表紙飾ってもらったんだ、あっ、写メあるけど見る?」
その写メには、およそ、高一には、見えない、貫禄と品格、大人びた少年が、制服に、身を包み堂々と、映っていた。これだ、見つけた。
僕は、心の中で、ガッツポーズした。
「この人が、そうなの?ふーん」
「2年生で、生徒会会長なんて、凄いしさ、まあ、みんな、お近付きになりたいわけだけど、まあ、2人の執事が、ガッチリガードしてるわけ、剣崎岳と、立科陛、長年、北里家の執事の家な訳で、小さい頃から、武道から、教養、何から何までって訳で………この1枚の写真撮るのに苦労した訳さ」
「へぇ、まさに、プリンスみたいだねぇ」
「帝国の帝王様な、訳よ、本人は、至って、物腰軟らかで、丁寧で、素直な先輩だけどね」
「普通に話せるって事?」
「まあ、一応執事的な、彼らを、通してだけどね、普通に、寮生だし、まあ、3人部屋だけどね、学業も、普通に皆と同じにうけてるから」
「そうなんだ」聞きながら、不審に思われない程度に、その後も、他愛ない話を、ふって、その日を終わらせた
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