第16話 王都への帰還

「はぁ~王都に戻ってきたー」


ヴィーシャはそう言うと身体をのばす。




「俺は里帰りが出来て良かったよ」


「みなさん良い人たちでしたね」


ミードリが柔らかい表情を見せる。




「お風呂に入りたい」とパム。


「その前にギルドね」ヴィーシャはそう言うと冒険者ギルドの方に歩き出した。




「はい、確かにクエスト完了を確認しました」


受付嬢が笑顔で言う。




「結構な金額になりましたね」


ミードリーが声を出す。




「野宿だったし、村で宿泊できて、帰りの食料ももらえたしね」


ヤヒスが言葉をかえす。




「帰ってきたー!!」


ヴィーシャがそう叫んでパーティーハウスに入る。




「お風呂、入れてくる」パムは浴室に向かう。


「今日は外で食事しましょうか、みんな疲れてますし」


ミードリが提案する。




「いいわね、そうしましょう」


ヴィーシャがミードリを指さして言った。




風呂が沸いたので順繰りに入っていくと全員眠くなってきたので、それぞれの寝室に入った。


夕方の鐘の音で目覚めたヤヒスは、一階へ降りて行く。


リビングには全員が揃っていた。




「ああ、起きるの遅くてごめん」


「いいのよ、一番疲れていたのはあなただと思うし」


ヴィーシャがそう言うと、他の二人もうなづく。




「夕食に行きましょうか」


ミードリが提案したので、全員それにならった。




「いつもの店」に入った四人はグラスをかわす。


「あんがい楽しい旅だったですね」


ミードリがヴィーシャに話を振る。




「村の男どもが絡んできたのは最高にウザかったわ!」


と楽しそうにヴィーシャが笑う。


「う、なんかすまん、村の男どもが」


「いやいや、笑える話よ」




そうして夜は更けていき四人はパーティーハウスに戻り、床についた。




夜更けに一階へ降りてきたヤヒスは水を飲みソファーに座った。


(こんなに楽しいことばかりになるとは思わなかったな、下水掃除から始まって村に大金も送れたし、夢みたいだ)




そこでふと女神像が言ったことを思い出した


「先が見えるとか、さらなる能力を付与とか言ってたな、俺のスキルはどうなったんだろう」




ヤヒスはしばらく考えを巡らせてからまたベッドに戻った。




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