第9話 レベルアップ

朝食を食べ終わると今日もまたミドルアントの討伐に出かけた。


昨日のようにパムが補助魔法を、ミードリが火炎魔法でミドルアントを引き付けて、ヴィーシャがそれを斬る流れだ。


ヤヒスはその様子を眺めている。




ミドルアントを5体倒したところで休憩となった。




パムはヴィーシャがけがを負った箇所を治癒してる。


「もうしばらくしたらまた5体討伐よ」ヴィーシャは拳をあげて気合を入れている。




5体の討伐を終えた所でヴィーシャとミードリの身体が緑色の光に包まれた。


「レベルアップです!」ミードリが嬉しそうにしている


「私もそうよ、これでまた少し難しいクエストを受けられるわ」


ヴィーシャは両手を頭の上に突き上げて喜びを表している。




「じゃあ、今日はここまでにするかい?」


ヤヒスがそう言うと街に戻ることになった。




「ちょっと買い物していいかな」ヤヒスは提案する。


「いいけど何を買うの?」とヴィーシャが聞いてくる。


「食材だよ、昨日調べたら調理器具と食器は十分揃っていたから料理しようかと、村では俺が料理することが多かったから」




「そうなんだね」パムが興味深げに聞いてくる。


「食事代が安く済むのはいいですね」ミードリは賛成の様だ。


ヴィーシャは「じゃあお願いするわ」と案外そっけない態度をしている。




市場で食材をみつくろって、パーティーホームに戻る。


「「「「ただいまー」」」」全員で帰宅の挨拶をする。




「やはり、家があるのはいい」パムはさっそくソファーにもたれかかっている。


「俺はしばらくしたら料理の準備に入るよ」ヤヒスが声をかけると、各々返事をして自室に戻るなり、テーブルで本を読んだりと自由に行動する。




スープと副菜を作ったヤヒスは、牛肉を包丁で叩き細かく切れ目を入れていく、次に岩塩を振り、香草をまぶした。


魔石コンロに火を入れるとそれを焼き始める。




良い匂いがあたりに立ち込める。


「いいにおい」パムがキッチンの様子を見に来る。


「もうすぐ出来るから」




ヤヒスは作業をしながらそう言った」




ヤヒスは2階に上がりヴィーシャの部屋のドアをノックする。


「ご飯が出来たの?」彼女はそう言うとヤヒスと共に一回に降りた。




テーブルにはシンプルだが見た目の良い食事が揃っている。


「おいしそうじゃない」とヴィーシャが言った。


「でも、食べてみないとわからないわね」彼女はそう言うと、料理を口に運んだ。




しばらくすると声を出す。


「おいしいじゃない、いつもの店に負けてないわよ」


ヴィーシャはどんどん食べていく。




他の二人も黙々と食べ進んでいく。


(村人以外の人が気に入ってくれてよかった。)


ヤヒスも料理に手を付けている。




「食器の片付けは私たちでやるわ、交代制よ」


ヴィーシャはそう言ってヤヒスの方を向いた。


「ありがとう、助かるよ」




「食事をつくってもらえ、食費も少なくてすむんだから当然よ」


彼女たちは全員うなづいている。




ヤビスは立ち上がり言った。


「改めてみんなよろしく」


ヤヒスがテーブルの中央に手を出すと、全員手を重ねてくる。


パーティーでの冒険はまだ始まったばかりだ。

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