第11話 触ってほしい人
ファミレスに場所を移した僕ら。
「この写真をばらまかれたくなければ、大人しく我々に従うんだな」
「お前らクソだな。これだから大人は」
「高校生です」
「中学生以上は」
「小学生が好きなんだ。ショタコン?」
「10代後半から20代前半のイケメンが好きだよ!」
「だけど、素直に好きとは言えなくなってしまっているのね……?」
「いや、素直に好きです。ガキは嫌いだけど」
チっと顔をそむける。
「ガキは嫌いだってよ」
「お前に行ってるんだろ。お前と先生に」
「いじはちゃって。あーあぃ、どすこいどすこい!」
胸を張り手して来る。
「どう、私のこの、流行りそうな一連の流れ」
「お前、どのSNS見てるの?」
「TikTokとインスタとタマネギ・ゾーン」
「三つ目だ。三つ目のが原因だ」
「あの、用がないなら帰りますよ?」
「寄って行ってもいい?」
「一人で帰りますよ」
「孤独にね」
「そう、孤独にね……で、何の用ですか」
「ここからは、先生、どうぞ」
「やっと私の出番が来たようね。タマネギ何とかとか、最近の若い子の流行は付いてけないわ」
「大丈夫です。先生若いです。こいつのセンスより」
「いじはちゃって! あーあぃ、どすこいどすこい!」
今度は導来さんに張り手をする。腕で身体を守る導来さん。
「はい、導来ちゃんも! どすこいどすこい! お相撲さんみたいなふくよかな体してるんだから」
「いじってくんな! デブじゃねーし! 胸デカいだけだし!」
「やっと……本音を吐いたみたいね」
「どこが? 一目瞭然じゃん?」
「あー私も一目瞭然とか言ってみたいわ」
「トリオさんも結構大きいと思うよ」
「セクハラ?」
「求めて来てたから」
「もっとマッチョなイケメンに言われたかった。アヤタカ君はかわいいけど、マッチョじゃない」
「ありがとう。頑張って鍛えるね」
「あの、私にもう少し注目してくれますか?」
「見てるよー見てる」
手をうねうねさせる。
「……ぬ」
また自分の身を守る導来さん。
「こういうとこね」
「こういうところだ」
「何納得してんのさ、こっちの二人」
「やっぱり、導来さんは男性不信……まあトリオさんは女性だけど……性的に求められることを怖がってる」
「そりゃ誰でも、ニヤニヤした顔で胸触ってこようとする奴がいれば、嫌がるよ!」
「トリオさん、演技はそれぐらいで良いわ」
「ふう……全く、変態の真似するのも疲れるぜ」
「まさか私の反応を見るために、あえて?」
「違います、この二人はやりたくてやってます」
楽しくて仕方なさそうだもん。
「──導来さん。例えば、貴女が身体を触られても嫌じゃないのって……むしろもっと触ってほしいって思うのって、どんな人?」
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