ヴェネツィアと見つけた友情の美しさ。儚いけれど、確かに残るもの。

まず、ヴェネツィアの情景に引き込まれます。
異国の風景の中で生きている主人公の息遣いが感じられました。
確かに生きている主人公レオと、不思議な友人エミリオがそこに存在するのです。

出会い、友情をはぐくみ、時には衝突して、また確かめ合う。
本当に生きている少年たちの物語を感じました。

そしてラスト。
いくらでも二人の友情に奇跡を差しはさむ余地はあったはずなのに、あえてこの余韻の残るラストを持ってきたのには脱帽しました。
出会ったこと自体が、既に奇跡だったのですね。