第二章 イースクラ王国
自己紹介
「改めまして。初めまして。私の名前はマリア。マリア・アルマパルトと申します。イースクラ王国アルマパルト王朝第五代国王の長女にございます」
「これはご丁寧に……私の名前はアレン。ただの旅人にございます」
ふらふらと歩いていた僕がたどり着いた部屋の先にいた美しい女性。
それはびっくりするくらい立場が上の人だった。
王女……王女様かぁ。まさか、お師匠様から一番最初の目的地にするといいと言われていたイースクラ王国の王女様にいきなりエンカウントするとは思っていなかったよ。
建物が立派なのにも頷ける……今、僕はどこにいるのだろうか?流石に王都とかではないよね?
「まずは私の部下であるアイルを助けていただき、ありがとうございました。おかげで私は大切な部下を失わずに済みました。ありがとうございます」
「いえ、人として当然のことをしたまでですから。それよりもオ恥ずかしながら生き倒れてしまった私を介抱してくださったこと。遅れながら感謝させていただきます」
「いえ、自分の部下の命を救ってくれたのですから。このくらいは我々が行うべき当然の責務ですよ」
「そう言っていただけるのでしたら……」
「それよりも、お体の程は大丈夫ですか?治療の一環として体を見させてもらったのですが……こう、どうも……」
「あぁ、僕の体が貧弱、という話ですよね?」
言葉を濁わす王女様に対し、僕ははっきりと言い切る。
「……えぇ、その通りです。はっきり申しあげさせてもらうのであれば、旅に出るというその行為。そのものさえも心配したくなるほどでした」
今更、体の貧弱さを指摘されて苛立ったりはしないさ。
「えぇ、そうですね。ですが、私が憧れ故に辺境の村を飛び出し、世界を見て回ろうというのです。自分が弱いことは知っていますが、それでも、憧れは止められませんので」
「……そう、ですか」
王女様はただひとえにこちらへと心配そうな視線を向けてくる。
「ご安心を。自分が弱いことを知ってますから。万全の準備が出来ない限り無理な旅へと出たりはしませんよ。さしあたっては、ここでしばし休養を取りたいと考えているのですが……いいですか?」
「もちろんにございます」
僕の言葉に対し、王女様は安堵の表情を浮かべ、笑顔で頷いてくれる。
良しっ!とりあえず寝泊りする場所確保!
「ごゆるりと、おくつろぎ下さいませ……」
「えぇ、遠慮なくくつろがせてもらいます」
いやぁー、やっぱりするべきは人助けだね。
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