2章番外編

最後の砦

 べローニャの双塔、最上階。

 そこに髪飾りの少女とリボンの少女が寄り添って座っていた。

 

 窓からは向かい側の塔が見え。

 空には星々が輝いていた。

 

 

「ねぇ、メラーニャ」

「ん?」

「もしも僕が死んだらメラーニャは一緒に死んでくれる?」


 髪飾りの少女はリボンの少女に在り来りな質問をした。

 

「絶っ対、嫌」


 リボンの少女は心底嫌そうな顔をしていた。

 

 髪飾りの少女自身、予想が付いていた返答も。

 いざ言葉にされると少し寂しいものがあった。


「そっか⬛︎⬛︎⬛︎と同じような事言うんだね」

「あんたは⬛︎⬛︎⬛︎と心中しようとした癖によく言うわね」


 リボンの少女は髪飾りの少女を睨みつけた。

 

「死ぬ気なんて無かったよ。あのまま⬛︎⬛︎⬛︎を一人で死なせるのは可哀想だったから、寄り添ってあげたんだ」


 髪飾りの少女は旧友を思い出し懐かしそうに言った。

 

「浮気者」

「えー?僕はメラーニャが死んだら一緒に死ぬよ」

 

「どうだか。カタリナなら、のらりくらり東国ルミエールで生きていけるわよ」


 髪飾りの少女は少し考えた後……。

 

「それは、そうかも」


 リボンの少女が不機嫌になるような返事をした。




 


 髪飾りの少女が立ち上がった。


「さてと。そろそろ戻ろうかな」

「……動かれると寒いんだけど」


 リボンの少女は不服そうに言った。


「もう雪は降ってないでしょ?」

「ふーん、」

「風邪引く前に寝なね」


 髪飾りの少女はそういい、もう片方の塔に戻る。

 

 そのまま寝るのかと思いきや、塔の窓から身を乗り出した。

 

「メラーニャ手、伸ばして」

「ん」


 リボンの少女は要望に答えるか悩んだが、窓から髪飾りの少女に向けて手を伸ばす。

 

 何がしたいのか予想はついた。

 

「あ、思ったより遠いんだね!?」

「当たり前でしょ」

「あははっ届くと思ったんだけどなぁ」


 2人の手は空を切っていた。


「おやすみ。メラーニャ」

「おやすみ」

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