エヴォリューションプログレス

わたたムシャ

第1話 進行

「おはようございます皆さん。」

その言葉が俺は嫌いだった

「今日は"術"の練習をしてもらうわ」

簡単に言うなよ、俺は嫌いだ

「各自準備ができたら術行使室に集まって下さい

では初めて下さい。」


俺は・・・・何故こんなところに居るのだろう


「よう!コウタ!今日も相変わらずしょぼくれてんな!」

「あぁそうだよ、いつも通りの俺だよ、」

「少しは元気出そうぜ?な?」

「いいよなぁ〜お前は5級の術が使えて」

「いやいや、これは親の遺伝子が強くてだな、」

「親の、遺伝子ねぇ」

その言葉を発した時、タカツはハッとした表情を浮かべた

「す、すまねぇ、・・・と、とにかく早く行こうぜ!な?」

「あぁいくよ...」


この世界には"術"と言うものがある、それは生まれつき必ず皆が持つものだ、俺も持ってる、ただし強いかどうかはほぼ親の遺伝子からだ、親の術が弱けりゃ子も弱い、強ければ子も強い、簡単だろ?

俺の親はとても術が弱かった、だからこの学校に入れたのは奇跡と呼ぶしか無かった、この学校に来てから差別が多くなって来た、世の中強い術の方が位が高い、そんな事は分かってる、でも俺はそんな親を憎んだりはしていない、だけどいっつも思う、もう少し強く産んでほしかったなぁて、


「みんな集まったわね、では各自スタートして下さい」

始まった、地獄の様な事が....

「おい!コウタ!俺のサンドバッグになれ!」

ほらな?こいつの名はツヨウ、術2級の技が使える、クラスではトップの力を保持している。

その後俺はいつものようにサンドバッグになっていた

「なんかさぁ最近こいつの事殴りすぎて飽きて来たわ、おいヨウスケ!こいつの体を作り変えろ!」

「お安い御用でございやす!」

そう言って俺の体は変わった、

「おぉ!こいつは殴りやすそうな腹だ!よし!行くぜ!」


"響炎導く真の炎となせ! 火炎突き!"


彼の拳が炎に包まれ、一直線に俺の腹に命中した

その衝撃で俺は2〜3メートル吹っ飛んだ

「おぉ!流石はこのクラスNo.1の実力!今の術は6級の術ですね?」

「そうだ!こんな術で吹き飛ぶなんて、弱すぎて話になんねぇな!」


これだから嫌いなんだ、この学校は.....


"水斬になれ 滝水!"


それと同時にツヨウ達に滝の様な水が降り注いだ

「なんだあ?!」

「お前ら!いっつもコウタの事いじめて何が楽しいんだ!ゴミのNo.1!」

タカツ...

「なんだぁ?庶民がなんか言ってるぜ?ウヒヒヒヒ、」

「コウタ行くぞ、」

その返事に俺は'おう'としか返せなかった......

そしてなんやかんや学校も終わり、家に帰る途中だった、そこで俺が目にしたのは.......

「よくも今日"ゴミ"とか言ってくれたな!あぁ⁉︎

ぶっ殺してやるからな?!」

「やれるものならやってみろや、カス....」


"業の野望に囚われし炎よ......"


タカツがあいつに殺されそうになっていた

やばい!このままじゃ、タカツが殺される!でも、俺の術じゃ...いや..今そんな事考えてる暇なんてない!

俺は意を決して走り出した


"炎の中で永遠に沈め! 業炎時炎!"


"我をお守り下さい! 剛鉄鎧!"


あいつの炎と俺の鎧がぶつかり合った、

俺の鎧は炎でドロドロに溶けていっていた

熱い!でも...!タカツを守るためなら!

その時遠くから人が歩いてくるのが見えた


"炭となって消え失せろ 灰人"


その声と共にツヨウは姿を消した

そして俺はあまりの熱さに耐えられずその場に倒れた

「コウタ!大丈夫か!」

タカツは俺の背中を見るなり絶句していた

「コウタ...背中....無い....‼︎」

まぁそうだろうな、あんな炎、耐えられるわけないもんな、さよなら、タカツ...ありがとう、お母さん、

「少年!まだ諦めるな!少し待っててくれ」

そう言うとその人は術を唱え出した


"福達よ皆に捧げよ ヒールモーメント!"


その術と共に俺のなくなった背中が元どうりになっていった、ほんの一瞬で......

「あ、ありがとうございます、、、あの〜ところで、貴方は?」

「私?私は貴方達の通っている学校の卒業生よ!今は最高術者になる為に修行してるところなの!」

「そ、そうなんですね、」

「少年、もう痛くない?」

「あ、はい!全然!もう痛くもないです、」

「よかった!私今修行で回復の術の練習中だったの!本当に良かった〜練習しといて!」

そのお姉さんは安心したような顔をしていた

その時だった....

「あの!」

タカツが声を上げた

「あの!僕...あの!実は...貴方みたいな人になりたいなって思ってて!あの!これは昔から思ってて、その!良ければ!僕を弟子にしてくれませんか!」

『え?』

僕とお姉さんの言葉が一致した

「いやいや!まだ私、修行中の見習いだよ!まだそんな弟子を取れる人じゃないから!」

「そう、ですよね、ごめんなさい、」

「いいよいいよ!謝らなくて!」

そして色々ありあのお姉さんは修行に戻っていった。そして俺達も家に帰る通路を通っていた時だった

「ごめんな、助けてやれなくて....」

「なんで謝るんだよ、俺が助けたのに、俺の方こそだわ、」

しばらくの沈黙が続いた後タカツが喋り出した

「俺な、さっきも言ったけどあのお姉さんみたいな、誰かを守れる人になりたいんだ....ずっと..それが俺の夢なんだ、今日の出来事でその思いがまたいっそう強まったんだ、だから弟子入りを頼んだ。まぁ断られちゃったけど、」

「なるほどなぁ、まぁ俺もあんな人にはなりたいと思ったよ、だってかっこよかったもんな、」

そして2人とも"うん"と頷きあった、

そして2人ともきっと同じ事を思ったと思う

『誰かを守る為に、俺は強くなる!』

きっとそう思っただろう......


2話に続く_______

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