謎の不可解レベルMAX。安定の暗闇坂マジックに踊らされるがよい。
- ★★★ Excellent!!!
まず本作を語る上でキーとなるのは一旦全て差し置いて「謎」ですね。ミステリの原点であり読み進める原動力となる“謎”が魅力度MAXに到達しています。
その謎とは――「本屋の棚に並んでいるコミックが全て偶数の巻数だけになっていた」というもの。
一見しただけだと「なんだ、それだけかよ」と思う方もいるかもしれませんが、そう思った方は是非「なぜそんなことになっているのか」と考えてみてください。多分なかなか思いつかないのではないかと思います。
これぞ日常の謎の真骨頂ですよね。日常の些細な出来事が、よく考えてみたら実は不可解極まりないという。
探偵役を務めるのは視点人物である「私」の妹。二年間の引きこもりでありながら頭の回転は異次元というクセモノです。なんとも名探偵らしいキャラ付けで面白かったです。
続編もありそうな雰囲気の終わり方だったので、彼女の再登場に期待です!