「俺の幼馴染はアイドルになったけど、どうやら俺にガチ恋しているらしい」

遊希

プロローグ  重い星

 ――アイドルは、星みたいな存在だ。


 ステージの上で輝いて、無数のファンを惹きつける。

 手を伸ばしたって、決して届かない。

 だからこそ、人は夢中になって追いかけるのだろう。


 けれど俺にとって、アイドルは星じゃなかった。


 子どもの頃、駄菓子屋でアイスを買って半分こした女の子。

 公園のブランコで「次は私!」と順番を争った女の子。

 家に忘れ物を取りに来て、当たり前のように俺の部屋に上がり込んでいた女の子。


 そんな身近すぎる幼馴染が――ある日突然、全国的に有名なアイドルになった。


 俺は慌てて距離を置いた。

 だって、もう世界が違いすぎる。

 彼女たちは空の上で輝く星で、俺はただの平凡な高校生だ。


 ……そう、信じていた。


 なのに――。


 「悠真くんっ! 会いたかった!」

 「もう少し、私のことも見てよね」


 再会した幼馴染は、テレビの中で見るよりもずっと眩しく、そして――

 俺に向ける感情は、あまりにも“重すぎた”。


____

あとがき


プロローグを見ていただいてありがとうございます。


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