#天使再誕

空想携帯小説家

第1話 ホントの未来

2025大阪:夢洲万博会場に来た、地元の小・中学生達。


浅倉ひかり「うちの名前は、浅倉ひかり。みなは、うちがデコが広いのを、いじりネタにして、ピカリや、露骨にハゲなど言い寄る。ムカつくわぁ〜」


無料招待された、小・中学生達は、炎天下の夢洲万博会場内を、少グループに分かれて、散策している。


浅倉ひかり達の担任

「おい、お前ら、昼頃から、人がごちゃごちゃしてくるから、迷子にならん様に、きい付けやぁ!。」


生徒達は、暑さ負け寸前で、空返事が大半だった。


浅倉のクラスメイト:有希子

「ひかりちゃん、アッチには、空飛ぶ車やて、見いいかへん?」


浅倉ひかり

「へー、空飛ぶ車かぁ。こないだ部品が外れとったって奴やろ?、行くん?」

有希子

「うちな、航空業界に、興味あんねん(笑)」


万博会場内にある、"空飛ぶ車"の発着場所に着いた、有希子とひかり。

その周りには、同年代の子供たちも多く見に来ていた。

観客「アレか?空飛ぶ車っちゅうのは?」

観客②「なんや、ヘリコやないのぉ(笑)」

空飛ぶ車の形が、ドローンに操縦席をつけた、車とは呼びづらい代物に、浅倉ひかりは吹き出した。


有希子「ちょっと、ひかりちゃん!」

浅倉ひかり「なによぉ?」

有希子「作った人の努力は、笑ったらアカンよ。」

浅倉ひかり「ゴメン。」


イベントコンパニオンの司会が、景気よく司会進行を始め出した。

イベントコンパニオン

「皆様、連日の暑い中、万博会場、空飛ぶ車展示まで足をお運びいただきありがとうございます。(笑)」


小声で、有希子に囁くひかり。

ひかり「あの、ねーちゃんも大変やねぇ、何弁ぐらい、おんなじ事喋んねんやろね?(笑)」

ため息をつき、ひかりをたしなめる有希子。


イベントコンパニオン

「それでは、デモンストレーションの飛行に入ります!」


空飛ぶ車と言う造物を、大屋根リングから眺める、季節はずれの、黒いロングコートの男。

その手すりに乗る姿は、他の人間には、見えていない。


イベントコンパニオン

「それでは、空中遊泳を楽しみたい方は、挙手をお願いします。」


有希子も、ひかりも、他の見物人達と同じように、手を挙げた。


イベントコンパニオンは、小柄の有希子を使命して、空飛ぶ車の助手席ドアを開けた。


ひかり「な、なんでや!うちのほーが、はよぉ手をあげたのにっ!」


嬉しそうに、ひかりに手を振る有希子。なんか、虫唾が収まらいひかりは、その場で地団駄をふむ。


空飛ぶ車のプロペラが回りだし、フワリと機体が上昇する。


ひかり「えーなぁ、ユッコちゃん。うちも乗りたかったー。」


次の瞬間、プロペラの根元から、ショートしたような光が発した後、プロペラが止まり、空飛ぶ車が、逃げ惑う見物人達の上に、バラバラになりながら、降ってきた。


有希子を乗せて炎上を始めた、空飛ぶ車の操縦席が、未動き出来ない、ひかりの目の前に···


浅倉ひかり「う、嘘やろ······」


瞬きする、浅倉ひかりの目の前に広がる、光の海。その奥には、古めかしい木の椅子に座る紳士が見える。


腰掛けた紳士「やぁ、大変だったね?」

不幸を他人事の様に発せられた言葉に、軽口(イヤミ)に聞こえたひかりは、紳士に噛み付く。


浅倉ひかり「は?何やねんオッサン!」


紳士「うわ、すごく威勢のいい、子供だな?(笑)」


浅倉ひかり「てか、ここ何処やねん?有希子ちゃん達は何処?」


腕を組み首を傾げる紳士。

紳士「まぁ、人間色々、過去世から、罪業を重ねてるから、仮に再会へのタイムラグはあっても、死んでしまえば、あえるわけないか。」


ひかり「う、うちら····死んだ?」

紳士は、ひかりを手招きして、水晶で出来たタブレットを取り出し、何か映り出した画像を指し示す。


紳士「ほんとはね、君達は、ここでは亡くならないんだよ。」

水晶で出来た、タブレットの画面を右にスワイプすると、空飛ぶ車の開発が中止になり、贈収賄罪で関係者達が、パトカーに連行されていく動画が、映る。

浅倉ひかり「なんや、これ。」


紳士「空飛ぶ車なんて、利権で作った造物(ゴミ)さ。君達人間に、何の利点もないし、実用性も皆無だ。」


ひかりを、諭すように微笑む紳士


ひかり「は?、あんた何もんやねん。」


紳士「そう、君たち、人間に。あ、そうそう(笑)」


紳士はイタズラを考えたように、水晶で出来たタブレットの画面を見せる。


紳士「ね、どうせ、このまま火葬されちゃうなら、試してみないか?」


紳士が示すタブレットの画面には、ファミレスに着席したときのような、選択画面が見える。


→NEXTSTORY:2






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