脳内ディスカッション

るる

第1話

脳内ディスカッションとは脳内に住む住民が普段疑問に思うことを解消する番組です。

秋山「なんか大々的に始まりましたけど笑」

伊藤「そうですね笑ということで、挨拶とかした方がいいのかな?」

秋山「そうですね、こんにちは読者?傍聴者?どちらでもいいですが、秋山と申します本日はどうぞよろしくお願いします」

伊藤「同じく伊藤です、よろしくお願いいたします」

秋山「いいですねー笑なんだが対談っぽくなってきましたよ笑」

伊藤「確かにいざここに座ると対談してる感ありますね笑僕的にはこんなちゃらんぽらんな人間が座っていいのかって感じですけど」

秋山「まあまあ僕も自認はちゃらんぽらんなのでお互い似たもの同士ということで笑始めますか」

伊藤「そうですね笑それでは今回のお題を引きますね?はい!」

【お題】お互いの死生観について

秋山「おーいきなりぶっ込んでくるというか笑こんなもん悩みにしてる人がいるんですねー」

伊藤「確かにふと疑問に思うことありますよねー」

秋山「伊藤さんはどうですか?僕的には死と生って仰々しい名前ついてますけど本質的にはどちらも違わないっていうか、二つの状態が同時に存在してるみたいな印象ですけどね」

伊藤「へぇーそんな考え方が笑僕的にはきっぱり生と死を分けてますね、っていうか生の状態が死を観測できていないだけなのかもしれないですけど笑」

秋山「これはお互いの生と死を語らねばならないようですね」

伊藤「そうですね、僕的に生とは思考を動かして、言葉を発して、動いて、という今僕たちがしているありふれたことを行うことができて、尚且つそれを行える第三者が自分を観測した時に生だと認識できる状態のことですかね。」

秋山「ほう、僕と本質的には一緒かもしれない。僕が思う生とは何かに関われるかどうかだと思うんです。物を動かすだったり、それこそ言葉を発してだったり、僕の場合は言葉を発して他人に影響を与えるまで入っていますが。」

伊藤「そうかー違いとしては第三者の有無と秋山さんはだいぶ厳格に決めてますねー」

秋山「まあ僕の今この状態を生とするならばという話ですが。」

伊藤「どうですか?秋山さんからみて僕の生に対する考えは」

秋山「そうですねー、おおむね僕と一緒だと思うんですが、第三者を必要とするっていうのが引っかからますかね」

伊藤「と、いうと?」

秋山「その第三者ってなんなんでしょうか?観測されることが重要ならばそれは自分から見た景色でいいのでは?って思っちゃいますね。自分が生であることを肯定するために第三者を使わねばならないって所が、効率が悪いっていうか、不可能っていうか」

伊藤「待ってください。秋山さんって、第三者の基準というか、自分以外の他人をどう捉えていらっしゃいますか?」

秋山「僕的に他人は無いものとして考えてますね。統一思考型のCPUと言ったらまた違うんでしょうが、僕以外に僕のように考えられる知性は持ち合わせていなく、用意された回答を話すだけのロボットのような存在だと考えていますね」

伊藤「ってことは僕も今そう思われてるってことですか?」

秋山「まあ、言ってみれば。」

伊藤「少し心外ですね笑でも気持ちはわかります。価値観の共有って簡単からみれば他人と関わり合う事とか、他者に考えがあるのかとか全く持ってブラックボックスなんですよね。僕的に他人は僕と同じく独立してるんだと思います。でも僕には他人の考えてることがわからないから、独立しているかは分かりませんが。考えてることがわかって、尚且つそれが無だったらと思うとゾッとしますね。秋山さんは無だと思っているという認識でいいんですか?」

秋山「そうですね。他者は無を共有するだけのただの物体にすぎません。だからこそ、死と生を共存し存在していると思っているのです。」

伊藤「あーそこで繋がってくるわけだ。いわば無を考えていることは思考していない、つまり脳は死んでいる状態、でも最低限の会話や返答、秋山さん的に言うと自身以外のものに関われるわけだから生だと、という意味で共存しているってことですか?」

秋山「そうですね。僕以外の他人は死んでいながら生きている。だが何にも関わらなくなった時、死が全てを占めると思います。」

伊藤「生が全てを占める瞬間は訪れないってことですね。」

秋山「ええ。生まれた時から脳は止まり、単一的に発言や行動を繰り返し、自我があるように見せかけるのだと思っています。」

伊藤「確かにそれを反対しようとしても証明はできないですもんね。」

秋山「はい。私だって今死と生を共存させているのかもしれないし、死んでいるかもしれない。会話できる状態が他人と私の状態を把握する手段だとしても私はそれを知る術がないんです。」

伊藤「確かに話せてるってことは生きてるってこと、って当たり前のように思ってますけど、ただ僕たちがいわゆる死者で、死者同士が会話できるだけって、可能性もあるわけですからね。」

秋山「ええ、それに伊藤さんのいう生の第三者だって、死者の可能性もあって、伊藤さんが気がついていないってだけとありますからね。」

伊藤「そんなこと言ったらキリがないですが笑みんなは賢くそれを割り切って、生と死をきちんとしているみたいですが。」

秋山「その生き方もその生き方ですごくいいと思います。こんな無駄な雑談と言いますか、哲学とも言えない使い古されたテーマをこんな時間を使って語り合うくらいなら、今からでも資格の一個でも取れって感じですよ」

伊藤「それは言えてますね笑」

秋山「他人が生き方を決めるように私もこういうふうな人間だとある程度割り切って生きてますからね。」

伊藤「僕もそうです。さて、本題に入りますか。」

秋山「えっと、お互いの死生観について、ですか。」

伊藤「そうですね、見聞きしている人にも分かりやすい指標があった方がいいと思うんです。やっぱり僕たちの会話って、僕たちだけで完結するような与太話の一つに過ぎませんから。見聞きしている人も飽きないように最後にしっかりと僕たちが言い切ることが大切だと思うんです。」

秋山「それはそうですね。このままだとただのディスカッションじゃなくて、お話会でしたから。じゃあ生はいいことか悪いことかみたいな感じでいいですかね?」

伊藤「ええ。良いと思います。生はいいことだと思います。まあ今の状態が生だとしたらの話ですが。生きることは良いことだ!ライフイズビューティフル!みたいな劇的な話ではなく、いまだに死者と呼ばれる人と交信する方法がない今。死ななければそちらの状態を体験できないとなると、必然とこちらの方が良いと思わざるを得ないですよね。死に対する爆然とした恐怖があるから、なんてつまらない理由では無く、死の世界がわからない。死の状態が理解できていないからこそ、私たちは生が良い事だと思わざるを得ないんだと思います。」

秋山「僕も同意見ですね。体の全てが死で占められる時ってその人にしか理解ができない感情だと思うんです。それって、今体験できてない僕たちが決めれる問題じゃないんですよね。死と生を行き来できる人間生まれてくれると嬉しいんですが、その人が二人以上いないと信頼性が担保されないとなると、いつになるやら笑」

伊藤「ちなみに死は?」

秋山「わからないですかね、」

伊藤「僕もです笑」

秋山「という事で脳内ディスカッション第一話こんな感じでいいんですかね?笑」

伊藤「いいんじゃないですか?」

秋山「結局僕たちって生きてるんですかね?」

伊藤「いや僕たちはどちらでもないでしょ笑だって脳内にいるだけのただの思考に過ぎないんだから」

秋山「確かに笑」

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