秋の記憶は、横顔とコスプレでできている。

喫茶店の窓辺から始まる、記憶と恋の回想。

かつての恋人・アキとの距離感、すれ違い、
そして向き合えなかった心の奥を、静かに描いていく。
横並びの席に象徴される「見つめ合えなかった関係」は、
読者の胸に切なさを残す。

……と思いきや、
最後の一撃は「くのいちコスプレ」。
武士の情けで土下座する主人公。
切ない恋の記憶に見せかけて、アクロバティックに
笑いへ着地する。
感傷とユーモアのバランスが絶妙です。
今日も笑わせていただきました。

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