第5話
「友達が軽音楽部にいるんだけど、ステージ見に来てって言われたから行かない?」
「うん、行きたい」
クラスTシャツを着た生徒たちと一般の来場者で行き交う廊下は狭くて、何度も人とぶつかりそうになる。
そんな私に気づいてか、衣央くんが私の腕を掴んで、そのまま引っ張って行ってくれた。
手を繋がないのはきっと彼なりの配慮で、告白の返事もあれから一言も言ってこない。
衣央くんは優しくて気遣いができて、穂高さんと出会っていなかったらきっと好きになっていたと思う。
体育館に近づくにつれて軽音楽部の演奏と、そのリズムに合わせて拍手と歓声が聞こえてくる。
「すご……ライブハウスみたい」
中に入ると十一月だというのに熱気がこもって暑かった。
「どの人が衣央くんの友達?」
「え?」
どうやら私の声はこの歓声と楽器の音で掻き消されたみたい。
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