第12話 予言どおりに

 97年といえば消費税が3%から5%に上がる年でした。


 正月から僕等システム室はその対応に追われました。

 思えばギリギリでしたね、新システムをあきらめる時期は。


「やっぱり室長の予言どおりになりましたね」


 いつもの居酒屋で現システム室というか、変わらないメンバーでお酒を飲んでいました。


「ああ…」

 室長がニコリともせず、相変わらず難しい顔をしていました。


 まあ、かなり飲まないと酔わない酒豪でしたからね。

 つきあうほうも大変なのです。


 もう一人の上司の係長も

「そうだな…」

 とつぶやいていました。

 こちらも非常にお酒が強くて、めったに酔わない人でした。


 酒豪二人に挟まれて、僕はいつもマイペースだけは崩さないように気を付けていました。


 僕だってかなり強かったんですけれどね。


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