なんで青やねん、赤やなかったんかい、とずっと思っていた話
平井敦史
第1話
皆様ご存じ(多分)、
黄色は、彼らが仲間同士の目印にした頭巾の色でもあり、
では何故黄色なのかというと、中国で古くから支持されてきた
五行思想についてかいつまんで説明すると、万物は
この五大元素が互いに関係し合いながら、世界を成り立たせているという考え方ですね。
五大元素間の関係性において、特に重要なのが「
一方
さらに、五大元素にはそれぞれ
水が青じゃなく黒だったり、金が黄じゃなく白だったり(金属全般ですので。黄金色じゃなく銀白色なのです)、土が黒じゃなく黄だったり(中国北部の
さて、この五行思想。元々は自然哲学だったのですが、次第に政治思想にも結び付いていきます。
すなわち、歴代王朝にはそれぞれ五行に対応した「
この考え方を体系付けたのは、中国戦国時代の
彼の説によると、
順番に、相剋の関係になっていることがわかりますね。
戦国の覇者となり中国全土を統一した
はい。ここで疑問を
また、
私自身、吉川三国志でこのネタを知った口ですが、そう、ここでは
黒(=水徳)だったはずなのにね。
いやあ、元々は、本作のタイトルに掲げたとおり、始祖が
先に結論を言ってしまうと、「
五行思想だと、青(=木徳)の次に黄(=土徳)が来るというのは、
漢に代わる王朝が黄(=土徳)だというのがこの時代の共通認識だったことは確かなようで、三国の
では、黄の前にあたる漢のカラーは?
そう、やっぱり漢は火徳すなわち赤なんですね。
なので、劉邦の白蛇退治伝説は、秦が水徳(=黒)だと考えられていた時代のものではなく、もっと後年になって、考え方が転換されてから生まれたものだということになります。
その転換がいつ起こったのかというと、
このあたりの話は、「もっと知りたい!三国志」というサイトの「黄巾賊が掲げたスローガンと五行思想(五行説)の謎」のページ(ttps://three-kingdoms.net/2059#google_vignette)を参考にしています。
漢を簒奪し
その際、水徳の秦を倒した土徳の漢から金が生じたとするのではなく、根本から
最初の虞が土徳なのは確定事項として、そこから夏が金徳、殷が水徳、周が木徳、秦は無視されて(笑)、漢が火徳、新が土徳とされました。
その後、ご存じ
で、その前の秦は火徳の漢に倒されたのだから金徳だということで、ここだけ
何で赤だったはずの漢が青になってるんだよ、という話だったのに、えらい複雑なお話になってしまいましたね。
さて、そもそも何故こんな話をしたのかというと、現在連載中の拙作『続・
当時、秦が白(=金徳)だとは考えられていなかったんですよね。
ま、あれは竜が存在するファンタジー世界のお話じゃからの。作中世界ではチン(秦)は白(=金徳)なのじゃ。と、竜神様もおっしゃっております(笑)。
なんで青やねん、赤やなかったんかい、とずっと思っていた話 平井敦史 @Hirai_Atsushi
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