宿している

そう、これが読みたかったんだと思います。

文字みたいなただの白黒の記号に一体何ができるというんでしょうか。何か表現したいなら舞台に立てばいいし、写真を撮ればいいし、音楽をやればいい。体も感覚も満ちている私達がなぜ白黒記号にこだわるのか?

文章を書くにしたって綺麗な文章で情景を描写して何がしたいんでしょうか。見たことない世界に連れて行ってくれる…いいことです。いいことだけどでもきっと私達は見たことあるこの世界をどう肯定するのか、そういうことだと思うんです。

つまりまるで舞台に立つように、まるで写真を撮るように、まるで音楽を鳴らすように書けです。白黒の文字の中にすっかり体や感覚を宿してしまってこの世界を肯定するです。きっと文章を書くって、そういうことだと思います。この物語は確かに宿しています。

おすすめです。

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