1話
俺の名前は斎藤快人。今日から高校二年になる男子高校生だ。今はクラス替えを楽しみにしながらの登校中だ。
「おーい、快人ー」
ベタな自己紹介をしていたら後ろから声をかけられた。
「おう、おはよう琉渡」
そう、こいつは俺の数少ない友人の高松琉渡である。中学からの仲で高校も一緒なもんで学校といえばこいつと一緒にいることが多い
「今年も快人とクラス一緒だといいな、もし離れたら友達が出来るか不安なんだよな」
そう琉渡が言う。そんなことを言っているがこいつは友達が多い。俺と離れたところで心配はないだろうが…
「まあクラス離れてもどうせあんまり変わんないだろ」
「そうだけどさ〜、そうなんだけどねぇ…」
そんな会話をしているうちにクラス分けの紙まできてしまった。人が多くて見えんな…
「これ、見えないな。琉渡見えるか?」
「…………」
「どうした?」
「別のクラスだった…俺が1組…」
「ああ、まじか俺二組じゃん」
「反応薄くない!?離れることより二組になった方気にすんのかよ!?」
「まあ別に少し不便になるだけだろ」
そう、俺らは部活も帰る地域も一緒なのでクラスが離れたって言うほど支障はないのだ。
「それでもお前…少しドライってもんだろ…」
「まあ休み時間になったら最初だけ行ってやるから」
そう言いながら俺らはそれぞれのクラスに入っていった。
退屈な担任の自己紹介など色々終え休み時間になった。琉渡のとこに行こうとしたのだが何故かとても廊下に人が集まり通りにくい。仕方なくベランダのほうから行くことにした。琉渡の席は一番後ろの窓と言っていたから丁度いいと言えばそうなのかもしれない。偶然にも窓が空いていたのでベランダから琉渡がいるであろう席を覗きこんだ。だがそこに琉渡の姿はなく座っていたのは、女子の姿があった。俺はその子をみたとき電撃が走った。疑問よりも先に。
白い肌に白い髪、細い手には本があり細い指でページをめくっていた。その全ての色が抜け落ちたかのような少女に俺は恋をしてしまった。そして理解が追いつかぬまま俺は聞いてしまった。
「君、名前は?」
そんなベタなナンパのような、漫画のような質問をしてしまった。だがその少女は少し驚いたあとにこう答えた
「私は、風花。与田風花」
学校を終えた帰り道俺は彼女のことを考えながら帰っていた。名前を聞いたあと、名前が聞けたのは良いもののその後の空気に耐えきれず教室に帰ってしまったのである。
「絶対変だと思われたよな…」
急に名前を聞いてきてすぐ帰るやつなんてナンパ師でもいない。
「まず俺に言う事ないのかな?」
そんなことを考えていると横から声が聞こえてきた。琉渡だった。
「お前結局来なかったよな!?待ってたんだぞ!?」
「悪かったって、さっき謝ったろ」
「教室で一人孤独に待ってた俺の気持ちをかんがえろ!これはジュース一本じゃすまないからな?」
「じゃあ今度飯奢るから…」
「ならゆるそう」
なんだか俺がそこまでやらかしてないのに飯(奢ることになってる気はしなくもないが本当のことを言いたくないので良しとする。
「んで、なんか悩みか?」
怒るのはやめて俺の独り言に対しての話題になった。
「悩みってわけじゃないけど、お前のクラスにいる与田さんってわかるか?わりと特徴的な見た目だから気になってさ」
「さっきの言葉と関係あるか?それ。まあ良いけど、与田さんか…悪いがあんまりわからんな。自己紹介の時も定番である能力も言ってなかったし、名前しかわからないな。雰囲気的にも近寄りがたいしさ」
「そうなのか…」
「んじゃここらへんでな、また明日」
「ああ、また」
そう言って琉渡と別れ道で別れる。それにしても情報ゼロとはな…何かしら話の話題になりそうなものがあったらよかったのだが、仕方ない。また明日話してみて探っていこう。そんなことを考えていると家に着いていた。
「ただいまー」
誰もいない部屋にそう言う。一人暮らしをしているわけじゃないが家には基本、夜にしか家族は集まらない。手洗いと着替えをすまして自分の部屋のベッドに行く。特に勉強をしたわけでもないが疲れたので少し寝ることにした。 明日の流れを考えながら俺は眠った
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