【BL】幼馴染と親密度ゲームをしたら両想いだった件

藍沢ルイ

第1話 日常

 俺は、この春から高2になった。

 十堂向葵(とうどうあおい(通称:テン))。

 幼馴染の八谷光(はちやひかる(通称:ハチ))といつものように休憩時間に話していた。


「テンのことやっぱり好きやわ~」


 後ろからハチに抱きしめられる。


「ハチ急に何言ってるん?頭打った?」

「十堂君、ひど~い(裏声)」

「女子みたいな声出すなって。…ああ、わかった。宿題やってないから見せてほしいんか」

「あ、バレた笑」


 ハチは、好きだとかそういう発言を平気ですることがある。

 でも、正直そこも可愛いと思っている。

 抱きしめられることも満更でもない。

 だから許してしまうし放って置けない。


「おい、2人でイチャつくなって~。俺も混ぜて♡」


 六月瞬(むつきしゅん(通称:ロク))が話しかけてくる。

 こいつは、顔の良さを無駄遣いする中身が0の男。

 コミュ強陽キャ。

 恋愛に関しては3日坊主らしい。

 知らんけど。


「ほんまに2人って仲良いよな~」


 一ノ瀬晴人(いちのせはると(通称:イチ))。

 表面上はいわゆる王道優等生キャラで、隠れ超絶オタク。

 生徒会長。


 ハチとは幼少期からの幼馴染だけど、イチとロクは高校で仲良くなった。

 いつもこの4人で一緒にいることが多い。


「そういえば、昨日日本橋でトレカ屋見てたら、こんなカードゲーム見つけたんやけど、ハチとテンでやってみたら?なんか流行ってるらしいで」


 イチがテーブルに置いたのは、"親密度ゲーム~気になるあの人との好感度は?~"と書かれたカードゲームだった。


「さすがオタク兼生徒会長!」


ロクがすかさず茶化すようにして話す。


 イチは、隠れ超絶オタクだということを周りには隠しているので、慌ててロクの口を押さえた。


「やめろって…!恥ずいから」

「ああ、ごめんごめん。でもそのギャップが良いねんけどなあ。もったいない」


降参というように、両手を上に挙げたロクにイチは押さえてた手を離した。


「てか、待って。こういうカードゲームって合コンとかでするやつやろ?俺とハチはただの友達やし」


「でも、このカードゲームなんか気になる」

「カードゲームとか、ハチって興味あったん?」


 普段、ゲームに興味がなさそうなハチに俺は不思議に思った。


「いや、なんとなく。昼休みやろうや~♪」

「うん、まあいいけど」

「じゃぁ決まり~」

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