第7話 発端 その七
八機のマシンアーマノイドのパイロット達は、第一目標である敵防衛部隊の殲滅任務を完了させた為、次の攻撃目標に関する情報の再確認を始めていく。
「隊長、次の攻撃目標は、地下、でしたね?」
「ああ、そうだ」
「……フェリアシティ王国の秘密兵器が、かつての王国の地下にある、でしたね?」
「うむ、その通りだ」
「……確かな情報なんですかねぇ……?」
「情報の正確さなどは関係無い。この周辺一帯を破壊すれば良いだけの話だ」
「……確かにその通りですね。了解しました」
「隊長、航空機部隊への指示はどうしますか?」
「居住区域への爆撃が終わり次第、順次帰投させろ」
「了解です」
「……それにしても……」
「……む? どうした?」
「こんなにボロボロなのに、どうしてわざわざこんな所に家を建てるんでしょうかねぇ、隊長?」
「……どれほど荒れ果てていても、故郷は捨てられん、おそらくはそういう事なのではないか?」
「……そういうものなんですかねぇ……」
「おそらくは、な……さて、無駄話は終わりだ。任務の続きを始めるぞ」
「はい! 隊長!」
「了解であります!」
隊長の号令に部下達が応じる。
続けて隊長が全員に攻撃命令を下す。
「総員、大型バンカーバスター、発射、用意!」
「了解! 発射用意!」
「大型バンカーバスター……発射!!」
「大型バンカーバスター、発射!!」
……こうしてディアナ達が避難しているシェルターの近くに、地中貫通爆弾であるバンカーバスターの、それも大型の物が撃ち込まれたのであった……。
ーーーーーーーーーー
一方その頃、シェルター内では……。
ダン先生やディアナ達が避難しているシェルターの上部から、雷の数十倍はあろうかという凄まじい爆発音が数回に渡って響いてきた。
更にその爆発音が響いた数秒後には、シェルターの上部からミシミシミシ!! というシェルターが激しく軋む音が聞こえてくる。
これに避難してきている住民達はパニックになり、泣き叫ぶ者が後を絶たなかった。
「きゃあああああ⁉」
「こ、怖いよー!!」
「ぼ、僕達、死んじゃうの⁉」
周囲に悲鳴と絶叫が響き渡る中、ダン先生がトーブル隊長に質問をし始める。
「トーブル隊長、今何をされたのか、わかるか?」
「……断言は出来ませんが……おそらくバンカーバスターを使われたのでないかと思います……」
「バンカーバスター……? それは一体、どういう武器なんだ……?」
「地中貫通爆弾と言って、地下深くにある目標を破壊する為の専用の武器です。種類にもよりますが、中には地下七十メートルにまで到達する物もあるとかで……」
「地下七十メートル⁉ それは冗談だろう⁉」
「そういう物もある、という話です。今使われているのがそのバンカーバスターなのかは、この状況ではわかりませんが……」
自身の説明に驚いたダン先生に、トーブル隊長はそう言ってまだはっきりとはわからない、そのように話していった。
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