ある日、引退して妻と共に暮らしていた勇者エミールの前に現れた謎の少年、ウオ。夫婦の愛情を一身に受けながら育った彼はある日、復活した魔王を倒す為に旅に出るのだが……というお話。
本作の魅力は、重厚な物語と凄まじい戦闘描写にあると私は考える。剣と魔法による大規模な戦いと、それを彩る細やかな描写がとても素晴らしい。そして、物語の部分は極めて重厚で、キャラクターが生き生きしていると感じた。自分の正体が分からないなりに前を向こうとするウオに、一部の終盤でエミールが見せた『父親』としてのとある覚悟。まさに、王道。ストロングスタイルで面白い小説と断言できよう。やっぱり、異世界ファンタジーはこうでなくっちゃと思う。