人生
wkwk-0057
昔話
お久しぶりです!
wkwkです
昔話をさせてください!
昔といってもたかが20何年前
生れてすぐに両方の親がいなくなった子がいた
母親は亡くなり、父親は蒸発した。
その子は祖父母に引き取られた。
そして時間は飛ぶ。その子が8歳になってから。
祖父母が引っ越しをし、その子も必然的に違う小学校へとなった。
そこでは、事情を知る友達も、先生もいなかった。
転入生ということもあって珍しかったのだろう。
「なんの遊びが好き?」「昼休み一緒に遊ぼうよ」
などの質問が飛び交った。
そして質問のなかに「お母さんとお父さんは何の仕事をしてるの?」
という質問が飛んできた。その子は当たり前の様に
「いないよ? おじいちゃんとおばあちゃんと住んでるからわからない」
と答えた。子供たちは皆困惑していた。その空気を察してか
先生はニコニコと微笑ましく子供たちの様子を見ていたのが、焦った顔色になり
急遽すぐに朝の会が始まった。
そのときその子は気づく。自分が当たり前じゃないんだ。
お母さんとやらが普通は居るんだ。お父さんとやらは仕事をしているんだ。
と。これまでおじいちゃんやおばあちゃんは言葉を濁していた。
それもそうだろう。まだ10歳にも満たない子供に”世間の普通”を教えても何が何だか
わからないと思う。
その日は何事もなく帰路に就いた
帰ってきてから、祖父に聞いた。「なんで、僕にはお父さんとお母さんがいないの?
と。祖父は目を見開き驚いた様子でなにか小声でつぶやいていた。
やがて、おおきな深呼吸をして話し始めた。
お母さんが死んだこと。お父さんは出稼ぎに行ってること。
その子はお母さんに合うことはできないと知っていた。
なんせ遺影があったからうすうす気づいていたのだろう。
だがお父さんには会える。と信じていた。ただ仕事をしているだけだから。
と教えられたから。
その子は何の悪びれず「お父さんに会いたいなぁ」とつぶやいた。
それを聞いた祖父は怒った。
当たり前だ。自分の娘が死んで責任をもって育てないといけない孫を残して蒸発
したから。
その子は、それ以降お父さんの話はしなくなった。14になるまでは。
いったん昔話はここで終わりです!
次回も書きます
恐らく 多分 maybe……
人生 wkwk-0057 @wkwk-0057
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