第8話 守護者集結
『
12階は〈
10階は玉座の間が大部分を占めており、食堂や
1階~9階までは侵入してくる賊徒共を排除するための様々なステージが用意されており、それはまさにこの世の地獄と言われるほどだ。
レックスはタワー6階のステージに足を運んでいた。
と言っても転移したのだが。
この階層は多くの侵入者と戦うことのできる広大な場所となっており、祝福と呪詛の地獄と設定されている。
味方プレイヤーや『
「これは……マグナ様! このような場所によくぞおいで下さいました!」
レックスの来訪をすぐに察知したメフィストが上への階段を護るためだけに建てられた砦から出てきて慇懃な挨拶をして見せた。
丁寧だが、その見た目に反することなく、元気溌剌とした言動だ。
セミロングの燃えるような赤い髪と瞳が特徴的な強化と弱体化の
「メフィスト、しばらく場所を借りるぞ。その内、守護者たちが集まって来るからな」
「へぇ! 全員が集まるのですね!」
「ああ、そうだ」
「しかし少々早いのではありませんか!? 大変です! お待たせすることになるのではないですか!?」
「構わんよ。少し試したいこともあるしな」
レックスの言葉は彼女の表情を訝しげなものに変え、思わず聞き返してくるメフィスト。
「試したいこと? ですか?」
「うむ。ちょっと俺に弱体化の力を使って欲しくてな」
「えええええ!! マグナ様にですか!? 何故そのような……?」
「環境が変わったからな。言っただろ? 異世界に転移した可能性が高いとな。そこで旧世界とは
予想外の答えだったようでやたらと大袈裟に驚いて見せるが、特段隠すことでもないのでレックスは有りのままに伝える。
「ああ! なるほど! 承知致しました!」
「あ、威力は弱いので頼む(本気出されたら死にそうだしな……)」
強力な弱体化能力を使われた場合、下手をすると死んでしまう可能性があるので手加減してもらわなければ困るのだ。
レックスは脆弱な人間族なのである。
「では参ります! 【呪詛Ⅰ】」
メフィストの口から呪いの言葉が紡ぎ出され、レックスの耳に届いた。
すぐに体に変調をきたすのが分かる。
スタン、毒、暗闇、沈黙、石化、挑発、混乱、錯乱、恐慌、服従、行動阻害、移動阻害、時間遅延、時間停止、攻撃力低下、防御力低下、俊敏力低下、命中率低下、特攻低下、位階低下、技能使用不可、能力使用不可、強化無効化、耐性無効化、祝福無効化、回復無効化、蘇生無効化、狂化、死霊化、即死などなど。
「(ヤバい! これは入ってる入ってる! 低位でコレかよ!)」
人間族は基本的にデバフに対する耐性が少なかったり、持っていなかったりする者が多い。
現にレックスはその多くを装備品によって防いでいる。
その上、耐性強化までしているのだが、それを上回る
「マグナ様、大丈夫ですか?」
すぐに呪いの言葉を止めるメフィストであったが、レックスは小さいながらもデバフをその身に受けてしまった。
それを目にして彼女はすぐにデバフを解く
「【解呪Ⅹ】」
レックスが受けたものは攻撃力低下や防御力低下などの主にステータスが下がるデバフである。
流石に耐性を無効化されては意味がないため、装備している物は
ちなみに武器からアイテムまで世界最強レベルの力を宿す
「あーやっぱり強力だな。メフィストの
「お褒めにあずかり光栄です! ですが昔から我々の力は意識的に切っていたものと思っていたのですが、わたしの勘違いでしたか!? あわわわ……」
「え? そうだったか?」
「はい! 今もわたしは陛下の【覇気】を浴びて猛烈にダメージ入ってますから! もう死にそうです!」
【覇王の覇気】は『覇王』が無意識に放つ
彼女は特にそんな素振りを見せていなかったのだが……。
「マジか!ってすまないな。えっと切る切るっと……」
意識を集中したレックスが能力を切ると言う感覚を掴もうとしているとメフィストが頭を下げて謝罪した。
「実験するならマグナ様の能力で既にダメージ入ってますって言えば良かったですね……申し訳ございません」
「いや、こちらこそすまなかったな(フレンドリィファイアはあり、と)」
元気だったのが一転してしゅんとする彼女にレックスも悪いことをしたなと反省する。それにしても感情豊かで表情がコロコロと変化する娘である。
「では他に何か試しますか!」
「いや、オンオフの切り替えの感覚も分かったしこれで良い。ありがとう」
感謝の言葉が嬉しかったのかテレテレと頬を染めるメフィスト。
それにしてもルシオラを始め、他の
力で屈服させても心からの臣従でなければ意味はないとは思うが止むを得まい。
そう考えたレックスは後で【覇気Ⅹ】を発揮することに決める。
「おや? 私が最初のようですね。陛下、お呼びにより参上致しました」
レックスが思考に身を委ねていた中、1番にやって来たのは鬼武蔵である。
相変わらず丁寧な態度で大人しめな印象を受ける。
「(やっぱ、黒スーツに刀ってのはいいな! 燃えるなぁ)」
次はルシオラが転移して来た。
彼女はレックスに会えた喜びから咲き乱れる花々のような満面の笑みを浮かべている。
そこへすぐ新たな守護者、いやもう1人の
そんな彼女を見た瞬間、ルシオラの態度が一変した。
「あら? 誰かと思えばドラスティーナじゃない? 陛下の召集に大人しく従うなんてどう言うつもりなのかしら?」
「ルシオラか……何やら異常を感じたのでな。ちと足を運んでみた」
ルシオラの挑発的な言葉にも特に反応を示すこともなく、ドラスティーナは平然と言ってのける。
「本当に勝手なことよね! 貴女、
「相変わらずピーピーと煩い娘だ。我はたいらー元帥様により創造されし存在。貴様は理解しておるのか? 至高なる
「あら、娘ですって? まぁ確かに貴女よりは若いわねぇ。貴女なんてただのおばさんでしょ? それに
「言うようになったな小娘が……我が見放されたとな? そのようなことは有り得ぬが、貴様を創造された
「あんだってぇ!? 仕事もできない年増のババァが! だから創造主様に見放されるのよ! 理解してりゅ?」
「
レックスもこのような一面を見るのはもちろん初めてだ。
「(うーん。これは創造主の影響を受けてるってことなのか? 設定がそうなっているからなのか? そう言えばたいらー元帥さんと鮮血鬼★バルバトスさんはあまり仲が良くなかったような気がする……)」
守護者たちが2人に向ける視線には呆れが混じっているように感じられる。
となると、皆その関係性を理解していると言うことだ。
非常に興味深い現象であり、もっと突き詰めて理解を深めていきたいところである。
守護者たちが全員そろったようなので、いい加減に罵り合いを止めさせようとレックスが口を開きかけた時、オメガ零式が低いが強い声で言った。
「下らンことで喧嘩するのはヤメロ。偉大な盟主たるレックス・オボロ・マグナ陛下の
流石に事態を思い出して我に返った2人が揃って頭を垂れる。
「陛下、お見苦しいところをお見せして大変申し訳ございません」
「至高なる
レックスとしては大して気にしてなどいない。
むしろ後学のためにもっと様子を見ていたい衝動に駆られたほどだ。
「良い。全員を整列させよ」
ここに
いよいよ各守護者の忠誠を量る刻が来た。
恥ずかしいが、単刀直入に聞いてみるしかないだろう。
レックスは満を持して口を開いた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
次回は羞恥心に殺されそうになるお話。
いつもお読み頂きありがとうございます!
面白い!興味がある!続きが読みたい!と思った方は是非、評価☆☆☆頂けると嬉しいです!!また、フォロー、レビュー、応援、感想などもお待ちしております。
よろしくお願い致します!
それと宣伝させてください。
『第1回GAウェブ小説コンテスト』向けに新連載を開始しました!
是非、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
◆付与術士?違いますよ?
~人材強化の異能力を持つ俺は最強ギルドを率いて異世界を無双する~
https://kakuyomu.jp/works/16818792440134848251
異世界に召喚され、人材育成に励みながらギルドを率いて無双する主人公!
舐めた野郎達に仲間と共に理解さ(わから)せろ!
テメーはオレを怒らせた!!
よろしければこちらも!!
◆『セレンティア・サ・ガ』
~ゲーム世界のモブに転生したはずなのにどうしてもキャラと本編が逃がしてくれません~
https://kakuyomu.jp/works/16818622171134565786
大好きだったスーファミソフトのゲーム世界のモブに転生してしまったレクス。
モブのはずなのに、やたらとキャラクターとストーリーが絡んでくるのだが?
レクスはこの世界で縁を持った者たちを護るために物語に関わっていく……
こちらの作品も評価☆☆☆、レビュー、フォローなどなどお待ちしております!
何卒、よろしくお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます