港町異聞録 ―幼馴染と怪異に振り回される日々―
あったくん
プロローグ
ただいま角鹿!
2060年6月半ば。東京から
小学生までこの角鹿の父親の実家である祖父母の家で暮らしていた。夏になると、幼馴染たちと御食津の
鼻腔をくすぐる潮の香り、遠くで聞こえる幼馴染たちの笑い声…。
間もなくリニアが減速し始める。
「まもなく、終点、角鹿に到着いたします。お忘れ物のないよう、ご注意ください。」
結城はシートに背中を預けたまま盛大に背伸びをする。シートの座り心地に名残惜しさを感じつつ、ホームに降り立つ。その瞬間、あの懐かしい潮の香りが結城の鼻腔をくすぐった気がした。都会とは違う、のんびりとした空気。これから始まる新しい生活に不安と期待を感じながら、改札を通り過ぎる。
「ただいま角鹿!」
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