あれ?なんか駅のほう
「あれ?なんか駅のほう、騒がしくない?」
「ほんとだね〜」
「行ってみよう」
「うんっ」
「あーーっ、一角獣さんたちだーっ」
「うわっ、一角獣さんたち?」
「停まってる電車を角でみんなツンツンつついてるわー」
「ほんとだー」
「わたしらの出番だよ〜」
「え?うちも?」
「そうだよ〜!ふたりの出番だよー」
「なんでー?何するのー?何すればいいのー?」
「ふたりで、一角獣さんたちを眠らせるのっ」
「どうやって?」
「はいっ!これ!受け取って!」
「なに、これ〜?楽器みたい?」
「みたいじゃなくて楽器だよー」
「どうやるの〜?」
「吹くんだよっ」
「吹くの?」
「そうだよっ!こうやるの!ピュ〜ピュ〜ピュ〜」
「うわっ、めっちゃかわいい音色」
「キミも、わたしと同じように吹いてみて!」
「うんっ、わかった!吹いてみるねっ!す〜す〜す〜あれ?音、出ない?」
「口をもっと、とがらせて吹くのっ」
「とがらせて?」
「そうだよっ、チューみたいな口で」
「チューみたいな口?」
「そうだよっ!ふたりでチューした時みたいに口をとがらせてチューって吹くんだよっ」
「こうかな?えいっ!す〜す〜す〜」
「だめだなあ。吹く前に1回チューしてみようか」
「え?チュー?」
「そうだよっ!わたしとチューするのっ!」
「わかった」
「いくよ〜」
「「せ〜の!ニャン、ドゥ、トロワ!チュー」」
「そうそう!その口!その口で吹くのっ!やってみて!」
「よしっ、吹いてみるねっ!ピュ〜ピュ〜ピュ〜」
「できたね〜♡」
「やったあ!できた〜♡」
「じゃあ、今度は、ふたりで一角獣さんたちに向かって吹くからねっ」
「うんっ!」
「「せ〜の!ピュ〜ピュ〜ピュ〜」」
「もっともっと」
「「せ〜の!ピュ〜ピュ〜ピュ〜」」
「一角獣さんたち、みんな、す〜す〜す〜気持ち良さそうに眠ってる」
「うわ、ほんとだー」
「ありがとねー」
「吹けて良かったなー」
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