第3話 森の秋祭りとキンモクセイのシャーベットとかぐや姫

□森の秋祭りとキンモクセイのシャーベットとかぐや姫




十五夜の夜、花もぐらのトトとお母さんは、キンモクセイの香りを閉じ込めたシャーベットを作りました。

月の光の中から、かぐや姫と白うさぎもふわりと降りてきます。


「みんなに届けましょう」

姫は小さな金のスプーンを手に取り、森の仲間たちのもとへシャーベットを運びました。


リスはどんぐりのパイを抱え、フクロウはクヌギのクッキーを持って集まり、

すすきの揺れる森の小道は、香りと甘さで満たされます。


トトはお母さんの香水瓶もそっと添えて、みんなの笑顔を見守りました。

ひと口食べるたびに、キンモクセイの香りがふわりと漂い、

森の仲間たちは、月と星の光の下で幸せな秋の夜を楽しみました。



宴の最後に、かぐや姫は空へ帰ります。


でも森には、香り、笑い声、シャーベットの余韻がいつまでも残り、


秋の夜は魔法のようにやさしく輝いていました。






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